NHKできょう9日、NHKスペシャル『ふり向かずに 前へ 池江璃花子 19歳』(総合 19:30~20:30)が放送される。

  • 池江璃花子

「病院から出たのに、また家から出られない…」。はにかんだようにビデオ通話で話す相手は、競泳の池江璃花子、19歳。数々の日本記録を打ち立て、“東京五輪最大のヒロイン”と期待を集めた。しかし、去年突然、白血病に襲われ、夢を断たれる。その後、表舞台から一切姿を消していた。

5年前から関係を築いてきた取材班は、再起への舞台裏を記録してきた。圧倒的な強さを誇り、天真爛漫な性格で周囲に愛された池江が「死にたい」とまで漏らした過酷な闘病生活。パリ五輪を目標に掲げたものの、トップアスリートとして鍛え上げた身体は見る影もなく、感染症の恐れがあるため、自分の居場所だったプールに足を入れることさえできない日々…。それでも、池江さんは持ち前の明るさで、一歩ずつ、前に進もうとしている。

そしていま、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、「当たり前の日常」を突然奪われた多くの人びとに、池江は自分の姿を重ねる。「どん底から這い上がる自分の姿が誰かを元気づけられるのではないか」。406日ぶりに、ひとりプールへと還ってきた池江。再出発の日々を見つめる。

池江は「こんにちは。池江璃花子です。闘病中の姿、ここまで元気になった私を見ていただき、病気の方たちや、いま希望を失っている方たちに、大丈夫だよって伝えたいです。以前当たり前のようにできたことができなくなった姿を見て、驚かれる方もいるかもしれません。でも私は、どんな自分自身も受け入れて前に進んでいきたいと思っています。番組を通じて、闘病中も支えていただき応援してくれた方々、いまも病気から人々を救うためにお仕事されている病院関係の方々にも、たくさんのありがとうを伝えたいです」とメッセージを寄せた。

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