亜咲花(あさか)。1999年10月7日生まれ。愛知県出身。アミュレート所属。2016年10月に17歳の高校生アニソンシンガーとしてTVアニメ『Occultic;Nine -オカルティック・ナイン-』EDテーマ「Open your eyes」でデビュー。TVアニメ『ゆるキャン△』OPテーマ「SHINY DAYS」、TVアニメ『ISLAND』EDテーマ「Eternal Star」、TVアニメ『『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』OPテーマ「この世の果てで恋を唄う少女」などを担当
撮影:稲澤朝博

アニソンシンガー・亜咲花が3月25日に、自身初となるライブBlu-ray『亜咲花 20th Birthday Live ~EVE~』をリリース。昨年10月、自らの20歳の誕生日を祝す形で開催した同名のライブが、満を持して映像化される。今回はその発売にあたって、亜咲花自身にライブの裏話を語ってもらった。そのなかで飛び出した、"アニソンシンガー・亜咲花"を形作ったさまざまな"奇跡"とは。

●目指したのは、“亜咲花の成長記録"のようなライブ

――ライブ映像が単体で商品化されるのは、初となります。

この日の夜は全身全霊を込めてステージに立ったので、それがいつでも観られるというのは嬉しいです。それに、やっぱり特典と単体の商品とでは、全然違うじゃないですか? 「亜咲花のライブを家でも見たい!」っていう人がいるから実現したことだと思うので、それもすごく嬉しかったですね。これが亜咲花のライブを生で観たいと思ってもらって、ライブに足を運ぶきっかけになったらいいなと思います。

――この日のOP映像は、亜咲花さんの成長記録から構成されていましたね。

これは私から提案しました。OP映像をつけたこと自体今回が初めてだったんですけど、"亜咲花の成長記録"みたいなライブにしたくて。生まれた瞬間からだんだん大きくなっていって今の亜咲花になる……ていう、ちょっと物語のようなライブにしたいなと思って、OPとアニソンカバーの前、あとアンコール前にも映像をつけてほしいという話をしました。

――OP映像では、途中から歌っている姿が増えていったのも印象的でした。

デビュー前の私が歌っている姿を見たことのある人って少ないと思うので、母に連絡して映像を送ってもらいました(笑)。よく映像が残っていたな、と思いましたね。

――映像が終わってスクリーンが上がると、そこには歌う体制万全で構えている亜咲花さんが立っています。客席からはその姿が非常にかっこよく見えたのですが、逆に亜咲花さんはお客さんが見えた瞬間のことは覚えていますか?

「やっと来たか」っていう感覚が強かったです。実は東名阪ツアーのときに歌の部分で結構悔しい想いをしたり、後悔が残ったりしていたんですよ。なので今回は、ツアーでできなかったことを全部やれるようにしようと、強く思っていて。"自分に対してのリベンジ"みたいな部分もありましたね。

●いち早く「Raise Your Heart!!」を完成させたかった

――それを果たしたライブの1曲目が、発売直前のアルバム『HEART TOUCH』のリード曲「Raise Your Heart!!」でしたね。

セットリストは全部自分で決めたんですけど、歌詞に「君を最高にアゲちゃうから覚悟してね」っていう気持ちも込めた曲だったので、今回のライブにおける挑戦状という気持ちも込めて、1発目に持ってきてみんなをぶち上げさせました。それにこの曲は、「1!」とか「GO!」っていうみんなの掛け声やコールがあって初めて完成する曲なので、「早く完成した『Raise Your Heart!!』を聴きたい!」という気持ちもあったんですよ。でも、MVをフルサイズで公開してたとはいえ、アルバム発売前なのにすごくみんな予習してきてくれて。この曲への愛を感じられて……なかなか貴重な体験をさせてもらいましたね。

――その最高の滑り出しに「Just A Way You Are」が続いた点、二十歳になっても姿勢を変えないという意志表示のようでした。

この曲には「誰に後ろ指さされようと、私はアニソン歌手を目指して進むよ」っていうデビュー前の自分と、「何と言われようと、自分はこのままアニソン歌手人生を貫くんだ」っていうデビュー後の自分とが、ひとつにまとまっていて。おっしゃったような意味も込めたので、みんなにも伝わっていたら嬉しいですね。

――そして、直後の「KILL ME One More Time?」でまたガラッと雰囲気が変わります。

ここからいわゆる"殺人セットリスト"ですよね。私たちもお客さんも、みんな大変なことになってしまうセットリスト(笑)。これを終盤に置くのもアリだと思うんですけど、中盤にアニソンカバーもあったので、ここで畳み掛けておきたいなと思ったんです。それに「KILL ME One More Time?」自体も、本当にいい意味で異彩を放っている曲じゃないですか? いろんな引き出しを見せられる曲でもあるし、この日は照明も含めて演出もちょっとセクシーな感じで……「こういう曲を歌いたい、歌詞を書きたい」って言った1年前の自分に拍手を送りたいですよね。いい歌詞を書いたなぁって(笑)。