ABCテレビ・テレビ朝日系バラエティ番組『名医とつながる!たけしの家庭の医学』(毎週火曜20:00~)が、17日の放送をもって終了。04年4月にスタートした『最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学』から続いていた『たけしの家庭の医学』シリーズが幕を下ろす。

  • 左からビートたけし、堀ちえみ -ABCテレビ提供

最終回の放送では、タレント・堀ちえみ、女優・三田佳子、元プロレスラー・天龍源一郎がゲスト出演し、壮絶な闘病経験を語る。堀は末期がんの宣告を受けながらも、太ももの皮膚移植手術と懸命なリハビリで声を取り戻した、自身の舌がん闘病体験を赤裸々に語る。

懸命なリハビリによって声を取り戻す姿を見たビートたけしは「しかし見事にしゃべれるようになって…今の医療ってすごいね!」と驚きつつ、「たくましいね! 母親として子供もちゃんと育てて…」と感心。

堀が「言語聴覚士の先生のもとで、私の今の舌に合わせて、一音一音調整しながら舌のリハビリをしています」と明かすと、たけしは「新しい発声法で、音の出し方を覚えなきゃいけないんだ!」と目を丸くする。

医師からがんのステージ4と宣告され、堀は「もう人生終わりかな…」と思ったというが、手術を決意させたのは「手術のあと、どんなにつらいことが待っていたとしても、やっぱり手術でがんを乗り除いてもらって、がんばって生きていてほしい。どんな姿でもいいから存在していてほしい」と言ってくれた家族の言葉。「時計の針は戻せないから、悔やむんじゃなくて、運命として受けとめて、先へ進んでほしいって、16歳の娘に諭されました」と振り返る。

たけしが心境を尋ねると、堀は「今の方がいいです!」と即答し、「舌を失ってしゃべりづらいですけど、がんと一緒にいろんな余分なものを取り去っていただいた感じで、生きていることがすごく素晴らしく感じられる」とのこと。

それに対して、たけしも「絶望して死ぬよりもね、絶望しても生きている方がいいんだよね」と激しく共感し、「オレも事故を起こしたとき、最初は死んじゃえば良かったと思った…今死んだら“伝説の男”になれるなって、ざまぁみろって病院のベッドの上で思ってた。でもそうじゃなくて生かされてるんだよね」と振り返り、堀も「ホントにそんな感じです!」と同意する。

収録後、堀は「たけしさんとは40年近く一緒にお仕事をさせていただいていますが、昔は水泳大会に全裸で乱入してくるような人で、ずっと『なんてひどい人だ』と思ってました」と告白。

それでも、「今日は、たけしさんが私の気持ちを手に取るようにわかってくれて…。一度は死を受け入れて、『死ねばよかった』を経験したあとに、『生きていて良かった』という境地に到達したというたけしさんのお話が、自分が今まさに感じていることと同じで、『生きてるって素晴らしい』っていう気持ちを共感できたのがすごくうれしかった。40年近いお付き合いですが、今日、初めて心が通じ合った気がしました(笑)」と笑顔を見せた。

さらに、「私の場合、早期発見できなかったことが悔いとしてあります。みなさんにはぜひ、口の中に異常があったら、すぐ病院に行っていただいて、早期発見、早期治療をお願いしたい」と呼びかけ、「最終回にこのような形で出演させていただけて、みなさんに私の体験をお伝えすることができたので光栄に思っています」とコメントした。