健康のためには、バランスの良い食事と適度な運動が重要です。特に、加齢に伴い衰える筋肉を「保ち、作る」のに必要なタンパク質を摂ることも意識しなければ。とはいえ、分かっていてもなかなか達成できず挫折してしまうもの。そんなあなたに朗報です!

  • 40代になって筋肉の衰えを強く感じますか?

高齢化社会のキーワードは「フレイル」予防

「フレイル」という言葉を聞いたことがありますか? 簡単に言うと、健康な状態と寝たきりや要介護状態の中間ぐらいで、何らかの介入(治療・予防)があれば健康なコンディションに戻れる状態のことです。

人間は40歳を過ぎたぐらいから筋肉量が急激に減少しはじめ、活動能力が低下します。すると、さまざまな病気にかかりやすくなりますが、高齢者だとさらに深刻な事態になりかねません。

筋肉は筋トレ愛好者のためのものだけでなく、健康長寿のための貯金といえそうですが、筋肉について知らないこともいっぱい。先ごろ、日本水産が行ったセミナー、「食べるだけで筋肉がつくスケソウダラの速筋タンパク質の最新研究」では、筋肉やその効果的な鍛え方について興味深い結果が発表されました。

筋肉には遅筋と速筋がある

筋肉には「速筋(そっきん)」と「遅筋(ちきん)」の2種類があり、それぞれの筋繊維は速筋が白、遅筋は赤と、色も異なり、働きも違います。

「速筋」の働きはダッシュ、ジャンプ、とっさの反応ブレーキといった素早い動きに使うもの。速筋増加により熱産生や体幹を支えるなど基礎代謝の向上が期待できます。

これに対して「遅筋」は、姿勢の保持やバランス感に役立つもので、疲れにくい身体や有酸素運動による糖質の燃焼など持久力に関連してきます。

健康のために意識すべきは「速筋」

加齢によって筋肉量は減少しますが、「速筋」が減ると動作や見た目にかなりの変化がみられるようになります。具体的には肥満や身体のたるみ、冷えや転倒といったリスクが出てくるというわけです。

ちなみに、ヨガやゆっくりめのウォーキングなどの有酸素運動は「遅筋」の運動であり、「速筋」が増えることはありません。「速筋」を増やすためには、筋トレなどの負荷運動が必要となります。

スケソウダラを食べるだけで速筋が!?

私たちの速筋に含まれるタンパク質は、「速筋タンパク」と呼ばれています。

日本水産の機能性研究では、タンパク質が体内でどれぐらい利用されるかを割合比較したところ、「スケソウダラ」に含まれる速筋タンパクが卵・乳・肉のタンパク質を抜いてトップクラスであることが判明。アミノ酸のバランスも良く、脂肪になりにくい良質なタンパク質であることが確認されたそうです。

  • 「スケソウダラ」の研究成果 提供:日本水産

スケソウダラは、たらこの親として知られる白身魚。鍋料理や焼き魚として知られていますが、実は干物の棒鱈(ぼうだら)や、ちくわやかにかまなどの練り製品の材料でもあります。

前述の研究では、スケソウダラの速筋タンパク質を摂取するだけで、平均筋肉量に有意な増加が認められたといいます。

食卓にもっと「スケソウダラ」を取り入れよう

最後に、効果的な食べ方を紹介します。

まず、タイミング。筋肉は常に分解と再生を繰り返すため、筋肉合成のスイッチが入る毎食時に1日推奨量のタンパク質を均等に摂取することが良いとされています。

現代人のタンパク質摂取量は夕食時に偏りがちなため、朝食・昼食時も摂取することが理想的。1日3食、毎食20グラム摂取を目安にするのが望ましいといえます。

スケソウダラは生の魚より、ちくわやかにかま、魚肉ソーセージなどの練り製品として多く出回っているので、こちらを利用すると便利です。

  • かまぼこスティックを使った キャンディサンド 提供:日本水産

なんといっても、そのまま食べるほか、彩りよく切って盛るだけで立派な一品になります。さらにそのまま食べるほか、サンドイッチの具材、そぼろ状の商品ならそぼろ丼の具にするなどもできます。

筆者プロフィール: 木村悦子

出版社勤務後、編プロ「ミトシロ書房」創業。紙・Webの企画・編集・執筆を行う。著書に『入りにくいけど素敵な店』『似ている動物「見分け方」事典』など。関心領域は、食文化・動物学・占いなど。