■京都市バスとのシームレスな乗継ぎも実現へ
北野線の終点、北野白梅町駅では現在、今年3月の完成をめざし、改良工事が進捗している。駅のホームを改築し、電車のりばの対面に京都市バスのバス停を設置する事業で、完成すれば電車とバスが段差なしで乗り換えられるようになり、北野白梅町駅と金閣寺道、烏丸今出川(地下鉄今出川駅)、出町柳駅前、銀閣寺道などを結ぶ102系統が乗り入れる予定。嵐電の運賃は車内で支払う方式であり、駅に改札口を設けていないことを活用した形だ。
昨今の公共交通機関は、「MaaS」に代表されるように競合関係から協調関係への転換が基本路線となっている。そのネットワークは交通機関に限らず、観光や飲食、物流など他の産業へも広がりつつある。
もちろん、ここで紹介した事業は京福電気鉄道が単独で行ったわけではなく、とくに行政との連携が重要であったことは言うまでもない。ただ、それほど大規模な鉄道ではないものの、嵐電が時代の流れを先駆的に体現してきた存在であるとは言えよう。