――ゼロワンが行なってきたフォームチェンジの中で、これはちょっと動きにくい、表現しにくいなと思ったフォームはありますか?

動きに関して、そんなに困ったことはないですね。ただ「フリージングベアー」は大きなパーツがあって少したいへんだったかもしれません。しかし、フリージングベアーの場合は細かな動きは必要なくて、クマのように大きな動きができればよかったので、フォームチェンジによって、やりたいアクションができなくて困ったことはありません。

――秘書のイズ(演:鶴嶋乃愛)からプログライズキーを投げてもらい、受け取ったあと派手なリアクションをするなど、ゼロワンには変身前の或人(演:高橋文哉)らしい部分がいくつも見られます。変身前と変身後のイメージを合わせるために縄田さんが気をつけていることとは何でしょう。

ゼロワンは或人が変身した姿ですから、文哉くんのエッセンスが含まれているのはもちろんなのですが、ふだんの細かい動きを真似るというのではなく"雰囲気をまとう"ことを意識しています。ゼロワンのときは「自分が或人なんだ」と思って演じる感覚ですね。フォームチェンジしてアクションする場合でも、プログライズキーの動物・昆虫の特徴を動きに取り入れて、印象的な動き方ができるよう努めています。

――お笑い芸人でもある明るい或人だけに、変身後のゼロワンにもコミカルな動きが見られることがありますが、ストレートにカッコいいヒーローとコミカルな面を持つヒーローとでは、どちらがやりやすいですか。

キャラクターの表現方法なので、どちらの場合も変わりませんね。ゲイツのときは、ゼロワンのようなコミカルな動きを入れず、ずっとカッコよく演じていました。本来、岳くんがちょっとファニーな一面を持っていたので、ゲイツにも"遊び"の部分を入れられたらよかったんですけれど、作品内容的にはいつも強敵と戦っていたので入れようがなかったんです。最強の敵に挑むときは、ふざけていられませんからね(笑)。逆に、今は文哉くんの明るいキャラクターを活かしてハジケる場合がけっこうあり、こちらも全力で楽しみながらやっています。

――いよいよ公開される映画『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』では、飛電ゼロワンドライバーではなく滅亡迅雷フォースライザーで或人が変身した「仮面ライダー001」が登場するとうかがっています。001の姿を見られたときのご感想をお願いします。

素直にカッコいいなって思いました。ふだんのゼロワンと違ったダークヒーローのイメージがあるんです。目の部分が角ばっていて、つりあがったような印象になっているのも好きですね。僕は目のつりあがった仮面ライダースーパー1や仮面ライダーカリスが好きですから(笑)。

――縄田さんから見た映画の注目ポイントを教えてください。

ストーリーがひねってあって、もう見どころ満載です。或人と父親の其雄(演:山本耕史)との"親子のドラマ"が重要な部分なんですが、其雄が変身する「仮面ライダー1型」とゼロワンとの激突にも、大いに注目してほしいですね。なんといっても1型を演じるのは高岩さんですから!

――仮面ライダーの先輩・後輩対決ということになりますね。高岩さんと戦ったご感想はいかがでしたか。

やっぱり高岩さんはすごかった!が感想です。こちらも思いっきりぶつかることができましたし、緊張はありましたが楽しかったです。けっこう1対1でやりあっているので、すごく見ごたえのあるシーンができたと思います。ぜひ劇場で1型とゼロワンのバトルをお楽しみください。

――最後の質問ですが、縄田さんが「ヒーロー」を演じるにあたって心がけていることとは何ですか?

物語の中でヒーローが何を思い、何を守るのかを台本からしっかりと読み取り、それをヒーローアクションとして表現することでしょうね。幼い子どもたちが観る作品ですから、「ただカッコいいだけ」のアクションではいけないと思うんです。ヒーローが敵に対して「殴る」意味、「蹴る」意味があるんだというのを理解してもらいたい。そのためには、演じる僕たちが表現方法についてしっかり考えるのが大事だと思っています。

「ゼロワン/ジオウ」製作委員会 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映