――今回の「仮面ライダー冬映画のゲスト出演」は、生駒さんにとってまさに待ってました! というべきオファーだったわけですね。

乃木坂46として活動したとき、同じグループだった井上小百合ちゃんが『動物戦隊ジュウオウジャー』にゲスト出演したこともあり、私も「仮面ライダー」に出られるチャンスがあればいいなと思っていました。出演が決まって、それにとてもいい役をいただいて、すごくうれしかったです。

――生駒さんが『仮面ライダー』冬映画に出る、というニュースが出たときも多くの方がSNSで話題にされていました。生駒さんのファンのみなさんはどんな反応をされていましたか?

すごく大きな反響がありましたね。私が今までにやったことのない"新しいジャンル"に挑戦することについて、ファンのみなさんはすごく応援してくださいます。「映画絶対に観に行くよ!」なんて言ってくださいますし、とてもありがたいと思っています。発表があった日には、私の大親友からひさしぶりにLINEが来て「仮面ライダー、出るんだ!」っていう驚きとお祝いのメッセージをもらって、これもうれしかったです。

――『ゼロワン』の世界の歴史を変えようと企むタイムジャッカー・フィーニスという役どころについてお尋ねします。タイムジャッカーといえば『仮面ライダージオウ』(2018年)のキャラクターで、アナザーライダーを作り出して歴史改変を目論む"敵"でした。生駒さんはタイムジャッカーのことはご存じでしたか?

もちろんです。台本を読んだとき「私がタイムジャッカーになれるのか!」という驚きがありました。『ジオウ』のタイムジャッカーだと、板垣李光人さんの演じていたウールがとても可愛くって「わぁ~、可愛い~!」と言いながら観ていました(笑)。

――「ヒーローの敵だけど見た目は可愛い」というウールやオーラの要素は、今回のフィーニスにも継承されていると見てよいですか。

板垣さんのような「美少年キャラ」とか、ファンのツボをついてくるのがヒーロー作品のいいところですよね。幼いころは単純に「ヒーローがカッコいい」という部分だけを観ていたように思うんですけど、成長してからだと、ヒーローと敵との戦いの周辺にいろんな"見え方"があり、とても奥深い世界だと思いました。

――ジオウ、ゼロワンの脅威となるフィーニスを、どのように演じようと思われましたか?

仮面ライダーの歴史をぜんぶ壊してしまおうとするタイムジャッカーですから、最初イメージしたのは荒々しく「ワァァァア!」って叫ぶような感じでいこうかと思ったのですが、台本を読んで、衣裳が決まってからは、テンションを抑え気味にして「"破壊"する行為が日常化し、普通である」というキャラクターに定めました。「どうして破壊しちゃダメなの?」みたいな疑問すら持たず、普通の感覚で周囲を破壊するっていう。私(フィーニス)の出番自体はそれほど多くはないのですが、出てきたとき「こいつはヤバい!」と観る人に感じてもらいたいと思って、演じ方を考えてみました。

――フィーニスは自分のことを「僕」と呼びますし、男の子のような雰囲気もありますが、生駒さんとしては男の子、女の子どちらを意識して演じられていますか?

男でも女でもない存在だと思って演じています。フィーニスにとって自分を指すための人間の言葉がたまたま「僕」であるだけ、と解釈しています。

――杉原輝昭監督とは、役に入る前どのような打ち合わせをされましたか。

衣裳合わせのとき杉原監督とお会いして、フィーニスのキャラクターについていくつかお話をしました。あまり杉原監督から「こう演じて」といわれることはなく、私がテストでやってみた演技を見て「そんな感じでいきましょう」といわれることもありましたね。

――衣裳を身に着けられ、フィーニスになられたときのご感想はいかがですか。。

私の尊敬している衣裳さんが担当してくださり、すごく安心して着ることができました。マントが超長くて、カッコいい!って思いましたよ。またメイクさんが『オーズ』も担当されていた方で、すごいテンションが上がりました! 「うわ~~~~っ!! どうやってアンク(演:三浦涼介)の髪型を作ってらしたんですか?」なんて尋ねて、たくさん『オーズ』のときのお話をうかがいました(笑)。私の前髪もアンクみたいにクリクリと巻いてもらったりもしましたし、メイク室はとてもよい「社会科見学」の場となりました!

――東映東京撮影所にはこれまでのお仕事でも行かれたことがあると思いますが、今回はなんといっても「仮面ライダー」の出演ですから、生駒さんとしても新鮮だったのではないでしょうか。

確かに、「仮面ライダー」キャストとして行きましたから、気分が違いましたね。『手裏剣戦隊ニンニンジャー』(2015年)にモモニンジャー(百地霞)役で出演していた山谷花純ちゃんとはお友だち同士で、かすみん(山谷)から「メイク室で、私が昔座っていた場所にシールを貼ってるから見てみて」って言われたんですけど、その場所にちょうど『騎士竜戦隊リュウソウジャー』(2019年)のみなさんがいたので、お邪魔になるかな~と思って見に行けませんでした。少しでもお話ができたらよかったんですけど、私の撮影期間も短かったですし……。