挑戦者決定リーグ進出者が続々決定 第61期王位戦

第60期王位戦(主催:新聞三社連合)で木村一基九段が46歳で悲願の初タイトルを獲得。初タイトル獲得の最年長記録を大幅に更新したことは将棋界の枠を超えて大きなニュースになりました。

そして現在、その木村一基王位への挑戦者を決める第61期王位戦が進行しています。

王位戦は、まず予選トーナメントを行い、そこを勝ち抜くと挑戦者決定リーグに進出することができます。トーナメント勝ち抜き者8人と前期の成績上位者4人、合計12人が紅白2つのリーグに分かれて総当たりのリーグ戦を行い、リーグ優勝者による挑戦者決定戦で挑戦者が決まります。

現在は予選トーナメントが佳境に入っており、各ブロックで準決勝または決勝が行われています。

12月24日には第4ブロック決勝戦で上村亘五段が高橋道雄九段を破り、第6ブロック決勝戦で鈴木大介九段が中村亮介六段を下してともに挑戦者決定リーグ進出を決めました。

上村五段は慶應義塾大学出身で初めてプロになった棋士。深い研究と詰将棋で鍛えた終盤力を武器に、2018年第31期竜王で5組に昇級するなど実績を残しています。また、モノマネが得意ということでも有名です。

鈴木九段はタイトル戦登場2回の実績を持つ振り飛車党のトップ棋士の一人。現在は日本将棋連盟理事を務めながらも各棋戦で活躍しています。また、12月14日に行われた国内最大級のプロアマ参加の麻雀大会「麻雀最強戦2019」で優勝し最強位に輝いたことも話題になりました。

この2人の他にリーグ入りが決まっているのは第5ブロックで優勝した稲葉陽八段、前期リーグ成績上位者の永瀬拓矢叡王、羽生善治九段、菅井竜也七段、それに前王位の豊島将之竜王・名人となっており、12人の枠のうち7人が決まっている状況です。

残り5つの枠をめぐる争いは、第2ブロックの渡辺明三冠VS佐々木大地五段、第7ブロックの斎藤慎太郎七段VS藤井聡太七段など、注目カードがそろっています。

リーグ入りを懸けた争い、挑戦者決定リーグ、そして木村一基王位との七番勝負。今後も楽しみな戦いから目が離せません。

上村亘五段(左)と鈴木大介九段