――テレビシリーズのお話になりますが、第1話のゲストとして登場した芸人・なかやまきんに君さんが演じたヒューマギア「腹筋崩壊太郎」がTwitterのトレンドワード入りを果たすなど、『仮面ライダーゼロワン』の認知度は最初から非常に高いのではないかと思います。ああいった反響についてはどう思われましたか。

大森:まさかあんなに話題を集めるなんて、まったく予期してなかったですね。しかも「腹筋崩壊太郎ロス」なんて言われて……。まだ第1話なのに(笑)。

高橋:その一方で「これ『仮面ライダーゼロワン』って番組なんだけど」という複雑な思いもありました(笑)。

大森:いなくなったことで「腹筋崩壊太郎ロス」と言われるまでゲストヒューマギアに注目が集まったのは、目からウロコでしたよ。或人を「社長ライダー」にしたことで、ゼロワンは自社の製品(ヒューマギア)を破壊しないといけないライダーになってしまったんです。いろいろな「お仕事」をするヒューマギアと或人がせっかく心を通わせたのに、そのヒューマギアがハッキングされて敵になる、つまり倒すべき相手になるのはまずいかな、と思っていましたが、視聴者の方々が腹筋崩壊太郎にあそこまで感情移入してくださり「この方向でいいんだ」と背中を押された感じです。もう少し波紋を呼ぶかと思っていただけに、よい誤算でした。

――その後、お笑い芸人型ヒューマギアは現れていないようですが、そのうち腹筋崩壊太郎の再登場はあるでしょうか?

大森:いや、そう簡単には出てこないですよ。

高橋:人気があるからといって、そういうところは安易にやりませんよね。

大森:とはいえ、チャンスがあれば出してもいいですけどね。どこでカードを切るかが難しいです(笑)。

――メインライターとして大森さんと共に『ゼロワン』全体の構成を作られている高橋さんですが、今回は『仮面ライダーエグゼイド』のように全話脚本執筆ではなく、筧昌也さん、三条陸さんなど数名の作家さんがローテーション参加されていますね。これはどういった意図からですか?

大森:『ゼロワン』でいちばんやりたかったのが「お仕事」要素なんです。子どもたちにも馴染みのあるいろいろなお仕事をテーマにして、ストーリーを切り取っていきたいと思っています。もともと、ヒューマギアに自我が芽生えて……みたいな部分は「AIを扱うのなら、そういうことも考えておかなければ」と、くっついてきた要素なんですよ。それでいざ進めてみると「えらく難しい題材に手を出してしまった……」と思うわけですが(笑)。1話完結のエピソードで毎回いろいろな種類の「お仕事」をドラマの中で見せていくことに決めたので、なるべく幅広い人たちをお呼びして、それぞれのものの見方で捉えられる「お仕事」について書いていただこうとしました。これが狙いです。

高橋:僕がやった『エグゼイド』や武藤(将吾)さんが全話を書いた『仮面ライダービルド』みたいなケースがわりと特別で、「仮面ライダー」ではもともと複数のライターで作っていくのが主流ですしね。

大森:テレビシリーズ放送開始前のインタビューでもお話したことではありますが、「お仕事もの」でありつつ「AI」の現在と未来……みたいなテーマを盛り込んでドラマを作らないといけないわけですから、かなり無茶な企画なんですよね。これはもう、かつて『エグゼイド』で一緒に悪戦苦闘しながら頑張った悠也さんと組むしかない!と思ってメインライターをお願いしました。