• 『シャーロック』3D体験VR

冒頭に挙げたとおり、当イベントはポスター以外の展示も充実している。

30分くらい見入ってしまう人もいるという「思い出の名作オープニングタイトル映像」、『ひとつ屋根の下』の柏木クリーニングを再現し、赤色のジャンパーと黄色のキャップを身につけて写真が撮れる「フォトスポット」は最たるものだが、それ以上に注目度が高いのは最新技術を駆使した「VR体験」。「『シャーロック』の誉獅子雄(ディーン・フジオカ)と若宮潤一(岩田剛典)のシェアハウスにバーチャル潜入できる」という斬新かつファン垂涎のコーナーだ。

「シャーロックでは重要な部屋なので、そこを最新技術の3DVRで体験してもらいたいと思ったんですよ。部屋の空間は、ドラマの撮影現場のセットへ行って、静止画で500枚くらい撮ってそれをつないでいるのですが、そこに登場する人物の撮影については、今までの3Dキャプチャーの技術とはまったく違う技術を使用しています」

画期的なのは、最新の技術だけでなく、サービス提供のタイミングも同様。「ドラマが放送される直前から作品の世界観を体感できる」という形のファンサービスは極めて珍しい。もちろん放送中も『シャーロック』のファンが訪れて喜びの声を挙げていたという。

アナログ感あふれる歴代作品のポスターと、最新のデジタル技術を使ったVR。当イベントから単なる懐古主義ではなく、現在進行形の活気を感じるのは、ノスタルジーに偏らない温故知新のスタンスがあるからだろう。

■開催期間を固定しない“お客さんファースト”

イリヤ・クブシノブ氏のデザイン監修によるメインビジュアル

当イベントの来場者数は12月17日現在、8万9,769人で、予想を上回るペースで推移しているという。それ以上に驚かされたのは、イベント終了の期日が決まっていなかったこと。

「1月いっぱいまでは確実に開催していますが、まだ見ていただいてない人も多いですし、好評であれば春までの延長も視野に入れています」

当初から開催期間を決めておくのではなく、世間の反響や要望を踏まえながら判断するという“お客さんファースト”の方針は時流に合っている。無料であることも含め、やはりファン感謝祭のようなイベントなのだろう。さらに、種田氏の視線は、もう少し先を見据えていた。

「フジテレビの社屋ができた当初よりお台場エリアのブランド力が少し弱くなってきているとは思いますが、来年にはこのエリアでオリンピック競技も開催されます。イベントの構想はいくつかありますし、フジテレビをお台場の魅力を発信できるスポットとしてさらにパワーアップしていけたらいいですね」

ウワサによると、『月9ドラマ大ポスター展』のことを知った芸能関係者の来場も多く、なかには俳優たちもいるとのこと。もしかしたら「過去や未来の月9ドラマ出演俳優に出会える」というミラクルがあるかもしれない。都内でも、無料でここまで楽しませてくれるスポットはなかなかないだけに、冬休みのお出かけ先としておすすめできる。

  • 『ロングバケーション』のスーパーボールなどお宝オブジェ

  • 『信長協奏曲』のムービングポスター

  • 『ひとつ屋根の下』の再現セット

  • 『貴族探偵』の玉座セット

  • 全作品の台本展示

  • 限定グッズ販売

  • 会場地図

『開局60周年記念! フジテレビ平成月9ドラマ大ポスター展』


【開催日時】
2019年10月5日~2020年1月終了予定 ※会期延長の可能性あり
(月曜休館/月曜祝日の場合は翌日休館)
10:00~18:00(最終入場は17:30)

【開催場所】
フジテレビ本社屋内5階「フジテレビギャラリー」

【入場料】
無料