革靴から発せられる嫌な臭い。誰しも経験があるのではないでしょうか。ビジネスシーンにおいて少なからずある「靴を脱ぐ場面」で、恥ずかしい思いをした人もいることでしょう。なぜ革靴は臭いを発するのでしょうか。また、どうすれば臭いを防げるのでしょうか。

本稿では、臭いが発生する原因と自宅で簡単にできる対策方法をご紹介します。この記事を読めば、靴の臭いに悩まされることはなくなるでしょう。

  • 革靴の臭いの取り除き方を紹介します

    革靴の臭いの取り除き方を紹介します

革靴の臭いの原因

なぜ革靴は臭うのでしょうか。その原因はいくつかあります。

・革そのものから発生するもの(なめし剤、塗料)
・革製品から発生するもの(接着剤、靴仕上げ剤)
・着用から発生するもの(汗、カビや雑菌)

上記のように、革や靴の製造工程で使用する接着剤や仕上げ剤も、臭いの原因の一つです。お手入れに使用した靴クリームの臭いも考えられるでしょう。

  • 革靴の臭いの原因とは?

    革靴の臭いの原因とは?

このように臭いの原因にはさまざまあり、特定は困難です。ですが、最も注意したいのがカビに代表される雑菌の発生による臭いです。

革靴の臭いの主な原因はカビや雑菌

革靴の臭いのもとになる大きな原因は、雑菌の発生です。革靴の臭い対策には、雑菌の予防が欠かせません。実は、革靴はカビにとって栄養の宝庫なのです。

たとえばカビは、革に含まれる水分や表面の汚れ、汗や皮脂などを栄養源に繁殖します。それは他の雑菌も同じこと。そのため、雑菌の繁殖を防ぐには汚れを落とし、湿気を遠ざける工夫が欠かせません。カビに気づかずに放置すると、靴の内部までカビが浸透し、ひどくなると防カビ剤でさえ除去が困難になってしまいます。

こうなる前に「履き終えた靴はブラッシングし、汚れは早めに落として栄養補給をする」「履き終えた靴はよく乾かす」といったように、こまめなお手入れが必要なのです。

臭いが発生した場合の脱臭方法は

とはいえ、気をつけていても臭いが発生するケースがあります。そんなときは次の方法を試してみてください。

  • 革靴の臭いが発生した場合の脱臭方法とは

    革靴の臭いが発生した場合の脱臭方法とは

まずは、靴を直射日光の当たらない風通しのよい場所で、よく乾燥させましょう。雑菌のもとになる湿気を乾かすことで臭いを防げます。

また、手軽に試せるのが市販の消臭スプレーです。靴の内部にスプレーすれば、嫌な臭いを撃退できます。汗や皮脂の染み込んだインソールや中敷きの交換も、防臭効果を期待できるでしょう。

このように、靴の脱臭にはいろいろな方法がありますが、おすすめはエタノールを利用した消臭スプレーです。

エタノールで簡単に作れる消臭スプレーがおすすめ

エタノールは傷口の消毒や家事などに用いられるため、常備している人もいることでしょう。もし手元になくても、薬局で簡単に手にはいります。

無水エタノールとスプレーボトルを用意したら、そのなかに、水1に対してエタノールを0.3~0.5を目安に加えてください。これだけで消臭スプレーができあがりです。靴の内部に数回スプレーすれば臭いを軽減できます。

ただし、靴の内側とはいえスプレーによるシミができるかもしれません。本使用の前に、なるべく目立たない部分で試し吹きをすることをおすすめします。

湿気を発生させない方法は?

革靴の臭いを発生させないためには、雑菌のもとになる湿気を遠ざける必要があります。そのためには、保管方法と雨にぬれた後のお手入れが大切です。

  • 湿気を発生させない保管方法とは

    湿気を発生させない保管方法とは

保管方法が大切

靴は十分に乾燥させたうえで、風通しのよい場所に保管しましょう。その際、シューキーパーやブーツキーパーをセットしておけば、形崩れの防止に役立ち、除湿効果も望めます。冠婚葬祭用などの靴を長期間履かない場合は、事前にクリーナーとクリームでメンテナンスをしてから保管しましょう。

  • 靴の保管にはシューキーパーが便利

    靴の保管にはシューキーパーが便利

ただし、靴の保管でやってはいけないことが、購入時の箱にしまって保管することです。箱の中に湿気がたまり、靴の劣化の原因になりかねません。

雨にぬれた靴は生乾きのままにしてはNG

雨にぬれた靴は、確実に乾かしてから履きましょう。革は基本的にぬれてもその機能は失われませんが、過度にぬれた場合は要注意です。革の繊維は多量の水分を含むと乾燥時に硬くなり、ひび割れの原因になります。また湿気が靴に残っていると雑菌が繁殖し、臭いの原因になりかねません。

革靴がぬれた場合は、シューキーパーや新聞紙を詰め、日陰でよく乾燥させましょう。乾燥後は革から栄養も失われているため、靴クリームを十分に塗布することが大切です。

  • クリームを革靴に塗布する様子

    乾燥後の靴のケアをお忘れなく

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臭いを発生させない方法は?

革靴の臭いを発生させないために、次の方法を試してみてください。

・除菌、消臭スプレーをこまめに吹く
・消臭インソールを活用する
・足にあった靴を選ぶ
・靴をローテーションする

除菌・消臭スプレーをこまめに吹いたり、消臭インソールを活用したりすれば、臭いの発生を抑えられるでしょう。また、足のストレスによる発汗を抑えるため、足にフィットした靴を選ぶことも大切です。

  • 足にフィットした靴を選びましょう

そのほか、毎日同じ靴を履くのではなく、何足かをローテーションすることをおすすめします。

靴の臭いはローテーションで対策しよう

足の裏は体の中でも発汗量が多く、その発汗量は体のほかの部分の20~50倍と言われているそうです。臭いを発生させないためには、靴に染み込んだ大量の汗を乾かさなければなりません。その際に効果的なのが、靴のローテーションなのです。

理想は3足以上の靴を用意し、1日履いたら2日休ませること。そうすることで汗や湿気が発散され、臭いが発生しにくくなります。また、靴への負担も軽減できるため、靴の寿命を延ばすこともできるでしょう。

まとめ

靴の臭いの原因は多種多様ですが、特に気をつけたいのがカビや雑菌の繁殖による臭いです。革靴は雑菌にとっての栄養源ですので、油断すると臭いが発生してしまいます。

大切なのは、靴を湿気から遠ざけること。靴はローテーションさせ、ぬれた場合は十分に乾燥させましょう。もし臭いが発生しても、市販の消臭剤やエタノールを活用することで撃退できます。

以上のように、ちょっとした手間で嫌な臭いを軽減できます。これを機会に、ぜひ靴のお手入れを習慣にしてみてください。

監修者:川口貴史

元靴メーカーの職人、現在はWEBライターとして活動しています。リーガルシューズ、靴修理店、神戸・長田の革靴メーカーで勤務し、靴業界に10年以上携わりました。靴のフィッティングや製造方法、修理、メンテナンスなどの専門知識を有し、知識や経験を生かした読者に役立つ情報をお届けいたします。