俳優の船越英一郎が、BS日テレで「ワイン」をテーマにした2つの番組に立て続けに出演する。12月2日放送の『断ちごはん~和牛もいただきます~』(毎週月曜21:00~)では、ワインを1週間断った後、雑誌『dancyu』編集長・植野広生氏が選ぶ名店で絶品料理とともに堪能。7日放送の『船越英一郎、旅に出る~ワインの郷 サンフランシスコとナパバレー~』(19:00~20:54)では、世界中で人気のカリフォルニアワインの郷を旅した。

いずれの番組でも、ワイン通で“食の変態”の異名をとるほどの美食家である船越が、初心者にも分かりやすくワインの魅力を紹介。ワインに欠かせない、極上の料理が次々と登場する「飯テロ」となっているが、そんな船越に、ワインとの出会いや魅力などについて聞いた――。

  • 船越英一郎

    船越英一郎

■これが大人の階段を登るということなんだ

――船越さんは、いつ頃からワインを嗜まれているのですか?

最初は、あまりいい思い出ではないんですよ(笑)。30代半ばの頃にフレンチを食べる機会があったんですが、ソムリエの方がしきりに「船越さんなら当然ご存知かと思いますが…」とウンチクを言って、僕が適当にワインを注文すると「このお料理ならこちらの方が」と問答が続くので一向に決まらない。正直イラッとしたんです(笑)

でも、非常に丁寧に適切なワインを選んでいただいたんですね。そのとき「これが大人の階段を登るということなんだな」と思い知りました。もう僕はそういう年齢になったんだ、ある程度ワインのことを知らないと、お食事をご一緒する方たちに、ちゃんとしたおもてなしができないんじゃないか。ソムリエの方に、そう教えてもらったような気がしたんです。

――ワインを学ぶのは難しいイメージがありますが、船越さんはどうやって勉強されたのですか?

まずはソムリエ・ソムリエールの方に、躊躇(ちゅうちょ)なくその日の予算を言います。正直に、カッコつけないこと! 例えば「3,000円以下で飲める白ワインをお願いします」と言うと、お料理に合うワインを持ってきてくれます。そのとき、「どうしてこれを選んだのですか」と聞くと、色んなウンチクを盗むことができます。ただ、今となっては本当に初心者程度の知識で、十分にワインを楽しむことができることを知ったので、ウンチクはそんなに必要ないと思っています。

ワインを好きだということから、知識欲が旺盛になって、たくさんの方からいろんなことを学ばせていただきました。言ってみればワインこそが僕の“師匠”なのかもしれないですね。

■番組をコミュニケーションツールに

――そんなワイン好きの船越さんが、BS日テレで2つのワインにまつわる番組にご出演されますね。『船越英一郎、旅に出る~ワインの郷 サンフランシスコとナパバレー~』では、何日間くらい旅をされていたのでしょうか。

1カ月は行きたかったのですが(笑)、1週間ですね。サンフランシスコで、現地の方がどんな風にカリフォルニアワインを楽しんでいるか、最近ブームになっているフードトラックから、豪華なワイントレインまで、レポートをしながら徐々にナパバレーに近づいていく旅でした。

――「カリフォルニアワイン」が旅のテーマですが、普段からお好きなのですか?

番組でも訪れた、日本人の辻本憲三(※辻のしんにょうの点は1つ)さんがナパで営まれているワイナリー「KENZO ESTATE(ケンゾーエステイト)」の「あさつゆ」というワインが以前から大好きなんです。日本では、ワインといえばフランスやイタリアのイメージが強いですが、今一番熱いのはカリフォルニアワインなんですよ。ワイン通の間でも、近年非常に高評価になっています。しかも、ワイナリーのあるナパバレーの開拓に、日本人が深く関わっている歴史があるんです。日本ではほとんど知られていないのではないでしょうか。

  • 『船越英一郎、旅に出る~ワインの郷 サンフランシスコとナパバレー~』(BS日テレ、12月7日19:00~20:54~)
    船越英一郎が、カリフォルニアならではの絶品料理と共にカジュアルなワインを味わい、意外なワインの飲み方をサンフランシスコで体験。さらに、100年以上の時を経て、カリフォルニアワインに革命をもたらせた日本人の存在が明らかになる。
    (C)BS日テレ

――情報盛りだくさんな旅でしたが、この番組を見た方に、どんな風に役立ててほしいですか?

カリフォルニアの風光明媚な景色を楽しむ旅でもありますから、ワインをあまり飲まないという方も、敬遠しないで見ていただけるといいですね、番組を見終わったら、ワインを飲んでみようかな、という気になると思います。

それからアルコールが苦手な方も、ワイン好きな方に番組で仕入れたネタを披露していただくと、お話に花が咲くのではないでしょうか。この番組をコミュニケーションツールにしていただければいいですね。それに、僕が訪ねたのは、観光客の方たちを歓迎しているワイナリーですから、旅行の計画の参考にしていただければ、今回の旅のレシピに沿って実際にワインの旅を楽しむことができます。