この世に棲みつく魔獣「ホラー」と、ホラーを殲滅する使命を帯びた「魔戒騎士」たちとの暗闘を描くアクションドラマ『牙狼<GARO>』シリーズの最新劇場映画『牙狼<GARO>-月虹の旅人(げっこうのたびびと)-』が、2019年10月4日より全国劇場にて公開されている。

今回の映画の主役を務めるのは、2014年に放送されたテレビシリーズ『牙狼<GARO>-魔戒ノ花-』で活躍した冴島雷牙(演:中山麻聖)。雷牙は『牙狼<GARO>』テレビシリーズ第1作の主人公である冴島鋼牙(演:小西遼生)の"息子"にあたり、「ガロ」の鎧を継承した"最強の魔戒騎士"と言われている。

魔戒騎士として日々ホラーと戦う冴島雷牙は、仮面の男・白孔(しろく/演:松田悟志)の術によってかけがえのない存在であるマユリ(演:石橋菜津美)を連れ去られてしまう。マユリを追いかけ、不思議な列車に乗り込んだ雷牙を導く謎の少年の正体は? そして、白孔の真の目的とは? 黄金騎士ガロの称号を受け継ぐ、雷牙への新たな、そして壮絶な試練が始まった……。

ここでは映画の公開を記念し、主演を務める冴島雷牙役・中山麻聖にインタビューを敢行。『牙狼<GARO>-魔戒ノ花-』から年月を経て、魔戒騎士としてさらなる成長を遂げた雷牙を、中山はどのように演じたのか。映画撮影時の裏話や『牙狼<GARO>』シリーズにかける思い、そしてアクション面の苦労話を訊いた。

  • 中山麻聖(なかやま・ませい)。1988年生まれ。東京都出身。2004年『機関車先生』で俳優デビュー。主な出演作に大河ドラマ『篤姫』、『江~姫たちの戦国~』、ドラマ10『美女と男子』、BS時代劇『蛍草 菜々の剣』など。2014年『牙狼<GARO>-魔戒ノ花-』で主演を務めた。アニメシリーズの『牙狼―紅蓮ノ月―』(2015年)や『劇場版 薄墨桜-GARO-』では主役・雷吼の声を演じた。2019年には水谷豊監督作品『轢き逃げ 最高の最悪な日』で主演を務めている。俳優・三田村邦彦の三男。撮影:宮川朋久

――『牙狼<GARO>-魔戒ノ花-』(2014年)から5年ぶり、そしてシリーズ10周年を記念したオムニバスドラマ『牙狼<GARO>-魔戒列伝-』の第9話「青二才」(2016年)に出演されてからでも3年ぶりとなる冴島雷牙ですが、まさに今回の映画『月虹ノ旅人』は冴島雷牙ファン待望の作品といえますね。最初に本作のお話があったときは、どんなお気持ちでしたか。

まず何より嬉しい!ですね。これまでずっと雷牙の"その後"の物語を待っていてくださっているファンの方々に、ようやく作品としてお届けすることができるという思いが強かったです。

――台本を読まれたとき、まず感じられたこととは?

自分の部屋で読んでいたんですけど、何回「えっ!?」と叫んだかというくらい"驚き"の連続でしたね。いろいろなところに『牙狼<GARO>』シリーズのファンならたまらない要素が入っていて、ものすごい情報量でした。この内容がぜんぶ映像化されたら、どうなるんだろう? お腹いっぱいどころじゃないぞ、っていうくらい(笑)。

――『魔戒ノ花』全25話のテレビシリーズの"後日談"であり、さらには『牙狼<GARO>』シリーズ各作品を観ていると気づく "仕掛け"がいろいろと入っているようですね。

そうですね。歴代の『牙狼<GARO>』シリーズが好きな方だったら、映画を観ていても「ちょっと、今のところ止めてもう一回見せて!」と叫んでしまいそうになるんじゃないですか(笑)。次から次へと、歴代シリーズを深く知れば知るほど心に染み入る出来事が起こりますので、自分の中でも情報処理が追いつかない。まさに盛りだくさんな内容の映画だと、試写を観て改めて思いました。