現在放送中の特撮テレビドラマ『神ノ牙-JINGA-』は、2005年に第1作が放送され、それから10年以上の長きにわたって続いている『牙狼<GARO>』シリーズの最新作である。2015年のテレビシリーズ『牙狼<GARO>-GOLDSTORM- 翔』、2018年公開の映画『牙狼<GARO>神ノ牙-KAMINOKIBA-』に登場した"最凶のホラー(魔獣)"ジンガを主役に据えながら、彼の性格設定を一新。まったく新しいストーリーが繰り広げられている。

  • 左から松野井雅、井上正大、向里憂香 撮影:宮田浩文

かつてのジンガはホラーの始祖メシアに敗れたことにより、遥かな時を経て「魔戒騎士・御影神牙」へと転生した。人間に憑りついたホラーを魔戒剣で討伐する神牙だが、ある時ホラーとの戦いで右腕に深い傷を負う。これ以来、神牙が斬ったホラーは元の人間の姿に戻るようになった。魔戒騎士の歴史上でも例のない能力を身に着けた神牙は、「ホラーのいない世界」を作るべく、ホラーと化した人間を元に戻す"戦い"を繰り広げていく。しかし、そんな神牙に"ある異変"が……。

物語はいよいよ終盤へ。ホラーを斬ることで人間に戻すという、ゆるぎない"正義"の行いを続けようとする神牙だが、彼の前世というべき"ホラージンガ"がときおり表に出てきて、神牙の意志とはまったく逆となる"邪悪"な行動を取ってしまう。EPISODE06「裏/表」では、神牙VSホラージンガの凄絶なるアクションが展開され、今後神牙はどうなってしまうのか、とファンをハラハラさせる展開になっている。

ここでは、『神ノ牙』終盤エピソードの放送に向けて、メインキャストである神牙(ジンガ)役の井上正大、魔戒法師・楓沙役の向里憂香、そして魔道具アルヴァの声、およびジンガのパートナー・アミリ役の松野井雅にインタビューを実施。『神ノ牙』前半のふりかえりと、終盤へ向けた意気込みを語ってもらった。

――放送開始以来、ホラーと神牙の凄絶なるアクションや、神牙の心の中に潜むジンガの凶行などショッキングな展開でファンの注目を集めている『神ノ牙‐JINGA‐』ですが、ファンの方たちからの反響を直接受け止められていることはありますか?

井上:Twitterとかでコメントをいただくので、それらはちゃんと見ています。

――特にEPISODE04「疑念/目覚」のエンディングテロップが流れ終わった最後、神牙がいつの間にかジンガに変貌していて、若き魔戒騎士・紫仗の身に衝撃的な出来事が起きるというシーンが地上波(TOKYO MX)やBS11で放送された直後、ショックを受けたファンの興奮気味のツイート内容と、その数がすごかったです。

向里:やっぱり衝撃的でしたよね。私もオンエアを観ていましたけれど、内容はもちろんわかってはいたにも関わらず、あのシーンはゾクゾクしました(笑)。

松野井:私もそう! テレビの前で思わず叫びましたよ。「ええ~~っ!?」って(笑)。もうファンの方と同じ気持ちでしたね。

向里:あと、新キャラの紫仗がせっかく出てきたのに、もう●●●!?って(※ネタバレのため伏せ字)。

井上:あのシーンはEPISODE00から観てもらっている方が「おっ!?」と驚いてもらえるようなサプライズだと思っていますので、ここにいる2人までがそういう反応を示してくれると嬉しいですね。

――井上さんにとっても「狙いどおり」というわけですか。

井上:いやあ、僕の狙いどおりってことではなくてね(笑)。監督の演出や、スタッフさんたちのいろいろな力が組み合わさって、見事にサプライズを作ることができたんです。

――放送はいよいよ終盤に差しかかっていますが、これまでのエピソードをふりかえってのお話を聞かせていただきたいと思います。まずは、みなさんがお気に入りのシーンなどを挙げてもらえると嬉しいですね。

井上:前半でいうと、やっぱり楓沙がキャバクラ嬢に扮してホラーを探りに行った、あのシーンでしょう。

向里:"しのぶ"と名乗っていましたね(笑)。私としては、あそこでの一連が強く印象に残っています。

松野井:あれって、なんでしのぶって名前になったんだろう?

向里:なんでかはよくわかりません(笑)。誰につけてもらったのか謎です! でも、それまでずっと楓沙のコスチュームのみだったので、見た目が変わると気持ちもまた変わって、楽しかったです。

松野井:美しかったよ~(笑)。

向里:ありがとうございます。

井上:あの衣装、肩がすごい出てたよね。

向里:そこに食いつきますか(笑)。

松野井:最初のときから「新ヒロインめちゃ可愛い!」って言われていたし。キャバクラのシーンでは別の魅力を発揮していた感じだよね。

向里:あとEPISODE05では、様子のおかしくなった神牙(ホラージンガ)と初対面したでしょう。あのあたりから「どうなっていくんだろう」みたいな不安な空気が流れてきましたね。

――EPISODE05のホラージンガは、楓沙のところに帰ってくるとき「鼻歌」を歌ったりして上機嫌でしたね。陽気さと妖しさを漂わせながら楓沙に接近していくという、危うい演技が絶妙すぎました。

井上:ああ、なんか鼻歌を歌っていましたね。あそこは特に何も言われなくて、アドリブでやったことなんですけれど、とりあえずフリー音源で、既存の楽曲にないメロディを心がけました(笑)。

松野井:著作権対策もバッチリですね(笑)。

井上:テストのときに、なんとなく自然に「フフフ~ン、フフフ~♪」と歌っていたら、なんか「ありの~ままの~♪」って感じになってしまって。

向里:あっ、それはダメですよね(笑)。

井上:普段の神牙とは違う雰囲気を出したかったので、それを"音"として表現するならば、鼻歌になるのかなと思って。

――松野井さんは本作でアルヴァの声を演じていますが、撮影現場で井上さん、向里さんとご一緒する機会なんてあるのでしょうか。

松野井:最初のころは声だけだったのですが、EPISODE06あたりからちょこちょこ顔を見せるようになってきましたので、現場で2人と会う機会が増えましたね。まだアミリが出るという情報を伏せていたときは、Twitterで「撮影現場へ遊びに行ったときの写真~」といってごまかしていたんですけれど(笑)。もうすでにオンエアされているので大丈夫かなと。