民放キー5局の10月改編情報が12日に出そろい、ゴールデンタイム(19~22時)からレギュラーのアニメ枠が消滅することが決定した。テレビ局の編成の中で、アニメコンテンツはどのように捉えられているのか。各局の改編説明会で、編成部長に聞いてみた。

  • ドラえもん(『ドラえもん』/左)と野原しんのすけ(『クレヨンしんちゃん』)
    (C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK
    (C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK

■最後の砦『ドラえもん』『しんちゃん』も…

少子化が進む近年は、アニメ番組の世帯視聴率が低迷し、民放キー局はゴールデンタイムから相次いで撤退。テレビ東京が、2018年の10月改編で『ポケットモンスター サン&ムーン』『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』を木曜19時台から日曜夕方に枠移動しており、金曜19時台で放送中のテレビ朝日『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』が最後の砦となっていた。

しかし両番組とも、最近の世帯視聴率は6~7%台と厳しい数字で、この10月改編でついにテレ朝もゴールデン帯から撤退することを決定。『クレヨンしんちゃん』は土曜16時30分から、続いて『ドラえもん』が17時から放送されることになった。

テレ朝の榊原誠志総合編成部長は、『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』の現状について、「リアルタイムの世帯視聴率で、非常に厳しい結果が出ております。視聴習慣が多様化している中で、この時間帯に見ていただけるということがなかなか厳しい環境になった」と率直に説明し、「週末の夕方にしっかりと家族で楽しんでもらうべく、今の時代のタイムスケジュールにマッチしたものを毎週しっかりと放送させていただくということで、移させてもらいました」と狙いを語る。

■「アニメは大事なコンテンツ」と共通認識

平日18時台や土日の午前帯を中心に、数多くのアニメを編成するテレ東だが、中心視聴者層である「C層」(4~12歳)の割合が、少子化で大きく減っている現状であることから、大庭竹修編成部長は「なかなか世帯視聴率をとるのが難しいコンテンツではあるんです」と認める。

それでも、組織の中に「アニメ局」を持つ唯一のテレビ局だけに、「テレビ東京にとってアニメは大事なコンテンツなので、このままゴールデンでやらないという判断は決めてないですし、もしかしたらまたやらせてもらうかもしれないです」と強調した。

深夜帯を中心に編成するTBSの瀬戸口克陽編成部長も「アニメは大事なコンテンツであることは間違いないと思います」と認識。だた、「タイムテーブル上のどこに置くのが適切なのかというのは、時代とともに判断があるんだろうなとは思いますね」とゴールデン帯で編成することの難しさを吐露する。

フジテレビは、『ノイタミナ』『+Ultra』といった深夜枠でアニメの開発を積極的に行っているが、齋藤翼編成部長は「新規のアニメは、深夜以外ではないですね」とのこと。日曜18時台に放送する国民的アニメ『ちびまる子ちゃん』『サザエさん』は世帯視聴率も堅調だが、「同じ時間、同じ曜日で見ていただける時間帯にずっと編成し続けることが重要なことだと思っています」と話し、数字が良くてもゴールデン帯に移動させる考えはないことを話した。

■土曜夕方のアニメ活性化に意欲

一方、日本テレビの田中宏史編成部長は「うちの場合は、支持される作品があれば『金曜ロードSHOW!』(毎週金曜21:00~)で放送していきます」という方針。スタジオジブリ作品、『ルパン三世』、『名探偵コナン』、細田守監督作品など、幅広い世代から人気を集めるアニメの放送権を持つ同局の強みを語る。

ちなみに、日テレ系が『僕のヒーローアカデミア』(土曜17:30~)、『名探偵コナン』(同18:00~)を放送する直前の時間帯に、10月からテレ朝系が『クレヨンしんちゃん』『ドラえもん』を編成することについて、制作局である読売テレビの松本拓也アニメーション部長は「すごくいい意味で捉えております」と歓迎。「一緒に盛り上げられれば一番いいなと思ってますので、テレビを団らんで見るというのを、もう1回土曜日に生み出せられれば、本当にありがたいことだなと思っています」と、土曜夕方のアニメ活性化に意欲を示した。

■“30分番組”が制約に

アニメがゴールデンタイムで放送されなくなってきた背景には、30分番組という放送尺による制約も大きいようだ。90年代初頭まで、民放各局の19時台はほとんどの曜日で30分番組を2本放送する編成だったが、10月以降、レギュラー枠ではすべて1時間番組、もしくは18時半からの90分番組になる。

ある局の関係者は「19時台の番組の毎分視聴率を見ると、開始から終了までに、実は2倍くらい上がってる番組もあるんです。それを考えると、番組が始まって数字が上がってきてるのに、30分経って別の番組に変わってしまうのは、あまり得策ではない。各局さん、2時間だったり3時間だったり、どんどん長尺にして、番組の中で数字を上げていくというテクニックが、最近は多いですからね」と、傾向を話していた。