現在公開中の『映画 この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説』のエンディングテーマで、アクア(cv. 雨宮天)、めぐみん(cv. 高橋李依)、ダクネス(cv. 茅野愛衣)のヒロイン3人が歌う「マイ・ホーム・タウン」が2019年9月4日にリリースされる。

発売を直前に控える本作より、レコーディング終了後に茅野愛衣が語ったメッセージを紹介しよう。

●レコーディング終了後インタビュー第1弾!茅野愛衣(ダクネス役)

――映画が決まったときの気持ちを教えてください

正直、『このすば』で映画って、どんなことになっちゃうのか、あまり想像できなかったです。でも台本を読んだら、ちゃんと映画になっていて、すごい!『このすば』だ!って思いました。TVシリーズのノリをそのままに、スケールとしては映画になっているんです。尺の都合でやむを得ずというところもいっぱいあったらしいんですけど、アフレコ段階ですごく面白かったので、これに映像と音楽が付いたらどんなふうになるんだろうって、公開が待ち遠しくなりました。

――確かに映画のイメージは全然なかったです

『このすば』ってなんか日常に近いというか。あまり大々的に何かが起こるみたいな感じがしないんですよね。作品自体に人気があって、たくさんのファンがいることはわかっているんですけど、どこか日常感があるというか…。フルコースではなく定食屋さんみたいなイメージがあったんですよね(笑)。

――すごくわかります

だから映画なの!?って感じはありましたよね?

――じゃあ、『このすば』のフルコース感が味わえる?

というよりは、定食がフルコースみたいにして出てくる感じかもしれない(笑)。

――あははは(笑)

豪華な定食が、おしゃれに盛られて出てくるみたいな?だから『このすば』の味は基本的には変わらないんです。また食べ物の例になっちゃうんですけど、すごくシンプルに、大根おろしと醤油で食べる卵焼きが、モン・サン=ミッシェルのふわふわオムレツに変身して出てくるわけではないんです。そのままの味を残しながら、映画のダイナミックさがあるので、そういうところは安心してほしいです。映画だからということは特にないから、始まってすぐの安心感はすごいと思います。

――ますます楽しみになります

今回は紅魔の里の話でめぐみんがメインなので、めぐみんとカズマのやり取りが多かったですけど、ダクネスとしては、友達の地元に遊びに行くような感覚だったのかなって。だからエンディング曲のレコーディングも、ダクネスは当事者ではなく「友達に付いて、その子の地元に帰るような気持ちで歌うような感じで」ということに最終的に落ち着いたんです。『このすば』のディレクションは、穴井さん(※日本コロムビア 音楽プロデューサー)がしてくださるんですけど、ストーリーをちゃんと作って、どう歌えばいいのかというのを一度歌ったあとに相談に乗ってくださるので、わかりやすいんです。ダクネスって普段はキリッとした凛とした女性のところとドMなところの2極あるんですけど、そういうところではない、本来のダクネスの姿みたいな。紅魔の里の昔話を聞きながら、自分の子供の頃を思い出しているような、柔らかいような温かい雰囲気で歌えたらいいなと思いました。

――一歩引いて、みたいな感じになっているんですね

だからいつも知っているダクネスではないかもしれないですけど、エンディングテーマもゲームと合わせて4回目になるので、ダクネスの素の部分でいいのかなと思っているところはあります。飾り立てることのない本当の気持ちで歌うということを重視してます。

――エンディングテーマ「マイ・ホーム・タウン」を聴いたときは、どう思いました?

ハンバートハンバートさんの曲は本当に素晴らしくて、悲しいことを歌っているわけではないのに涙を誘うというか。すごく温かくて寄り添ってくれる曲調なので、いつもやられたなぁって思います。

――もともとハンバートハンバートさんの曲が好きだったんですか?

『このすば』で初めて出会って、その後すごくいろいろな曲を聴きました。ライブにも行かせていただいたりして、すごく好きなジャンルなんです!

――高橋さんのめぐみんは、少し感情的に歌っていたんですけど、ダクネスは、確かに少しフラットな感じで歌っていましたね

当事者と当事者じゃないのとでは、こんなにも違うのかという感じですよね。詞を読むと懐かしい感じがあるので、昔話を語るような雰囲気が出たらいいなと思いました。Aメロの歌詞のところは、穴井さんが「朗読を聞いているかのようです」とおっしゃってて面白かったです。

――歌ってて好きな部分はありました?

曲自体がもう好き過ぎて、全部なんですよね……。どんな方が聴いても、子供の頃を思い出しちゃうような歌詞だなって思っています。

――上京してきた人などは特に感動しそうな曲ですよね

「おうちに帰りたい」(第2期エンディング)もそうですけど、みんな実家に帰っちゃうんじゃないかと思います(笑)。何でこんなにも実家が恋しくなるんだろうっていうくらい、何か匂いがしますよね、『このすば』のエンディングって。そこが素晴らしいんです! 誰にでも受け入れられるような耳馴染みのいい曲で、こんなにも優しい曲調なのに、ギュッと何かを掴まれる。ただただ温かいだけではなく苦しくなるみたいな曲がハンバート ハンバートさんの曲には多い気がして、不思議だなって思います。本当に、よく第1期のときに、エンディングにハンバート ハンバートさんの曲調を持ってこようと思ったなと。今となっては、あのエンディングがないと『このすば』が終わった感じがしないですよね。

――映画で初めて聴けるように、試聴動画とかも作らないそうですよ

いいと思います!最後の“今日は帰るよ ちゃんと帰るよ また今度ね”っていうところもすごく好きですけど、きっとめぐみんは紅魔の里を思いながら歌ったと思うので、めぐみんの歌にも注目してほしいです。

――映画のアフレコの思い出はありますか?

福島潤さんのスタミナ値みたいなものがギュンギュン減っていくのが、背中を見ててもわかるくらいしゃべっていたし、叫んでいました。でも、やり切った!という感じも背中に溢れてて、2日目が終わったあとに飲みに行ったんですけど、終わったあとのシュワシュワが最高に美味しいと言いながら、潤さんは顔を真っ赤にしてました(笑)。

――さぞや美味しかったでしょうね(笑)

でも、みんなで駆け抜けた感はありました。2日目は雨宮天ちゃんがイベントがあって駆けつけだったんですけど、せっかくだからみんな一緒に終わりたいと思って、他のメンバーは先に打ち上げ会場に行ってもらって、パーティーメンバーの潤さんとりーちゃん(高橋李依)と私は残って天ちゃんを待っていたんです。それで天ちゃんの最後のシーンを一緒に見届けて、お疲れ様!ってスタジオでひと盛り上がりしてから打ち上げ会場に行ったんです。なんか終わったあとに一人にさせたくなかったんですよね。

――素敵なパーティーですね。『このすば』チームの結束もできてるんでしょうね

そうですね。もう長くなりましたし、『このすば』って10話構成で少し短かったんですけど、そうとは思えないくらい濃厚な時間で、なんだかんだ1期2期の間にもゲームの収録があったり、『異世界カルテット』があったり、『このすば』から離れる時間も少なくて、しょっちゅうみんなに会いたいなってなります。この映画までにチーム間の絆はかなり深まっていたと思いますよ。

――では最後に、メッセージをお願いします

今か今かと待っていてくださったと思いますけど、今、私自身が一番見たいです!今回はめぐみんの地元・紅魔の里が舞台の話ですけど、ダクネスとしてもめぐみんに付き添って、ダクネスらしい活躍(笑)を見せてくれてるので、そちらのほうも期待してくださいね。面白いだけではなく、ほろりとしてしまうようなシーンもあったりしますので、TVシリーズとはまた違った『このすば』も見れたりするのかなと思っています。今までの味はそのままに、映画だからこそ楽しめる『このすば』を、ぜひ劇場で楽しんでくださいね。

『映画 この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説』のエンディングテーマ「マイ・ホーム・タウン」は、2019年9月4日(水)の発売予定。各詳細は音楽情報特設サイトにて。

(C)2019 暁なつめ・三嶋くろね/KADOKAWA/映画このすば製作委員会