近畿日本鉄道は30日、「くつろぎのアップグレード」をコンセプトに、全席にバックシェルを設置するなど車内の居住性を向上させた新型名阪特急の名称を「ひのとり」とし、運行開始日を2020年3月14日に決定したと発表した。

  • 「ひのとり」外観デザイン

新型名阪特急の名称に決まった「ひのとり」は、先進的でスピード感ある車体フォルム、深い艶感のあるメタリックレッドといった外観デザインに加え、ゆったりとした空間や上質なサービスを提供する気品ある車両のイメージを、翼を大きく広げて飛翔する「ひのとり」に重ね合わせて命名。ロゴマークは乗客に親しみを持ってもらい、近鉄の新たなシンボル特急として大きく飛翔していくことを期待して作成された。

車両形式は80000系。運行区間は大阪難波~近鉄名古屋間とされ、大阪難波~近鉄奈良間でも一部の特急列車に運用する予定となっている。6両編成あるいは8両編成で運用され、両先頭車はプレミアム車両、中間車はレギュラー車両に。全11編成・計72両(6両編成×8編成、8両編成×3編成)を製造する。

  • 「ひのとり」ロゴマーク

  • 車両編成図(6両編成 編成定員239人)

  • プレミアム車両の車内イメージ

プレミアム車両は全席3列シートで、後部座席の乗客に気兼ねなくリクライニングできるバックシェルを設置。ハイデッカー構造による高いアイポイントと、前面・側面の大型ガラスによって広がる眺望や、鉄道で日本最大級という前後間隔130cmの本革を使用した座席、横揺れを低減する電動式フルアクティブサスペンション、天井間接照明にフルカラーLED照明を使用した上質な照明演出などを特徴とする。

レギュラー車両は全席にバックシェルを設置したほか、座席の前後間隔が116cmとされ、レギュラー車両としては同社最大の間隔を確保。明るく調和のとれたインテリアデザインも特徴となる。

  • レギュラー車両の車内イメージ

料金に関して、運賃・特別急行料金に加え、特別車両料金を新たに設定した。大阪難波~近鉄名古屋間で乗車した場合、プレミアム車両の特別料金は900円で、運賃2,410円と特別急行料金1,930円を足した合計は5,240円。レギュラー車両の特別料金は200円で、運賃・特別急行料金を足した合計は4,540円となる。なお、この金額は10月1日に予定されている消費税率等引き上げに伴う運賃(申請中)・料金改定分を反映している。