「努めて」「務めて」「勤めて」の違い
「つとめて」という言葉を漢字に変換する際、どの漢字を使用するべきか、迷うことはありませんか? 「つとめて」の同音異義語としては、「努めて」「務めて」「勤めて」が挙げられますが、どのように使い分ければよいのでしょうか。例文とともにみていきましょう。
努めては、「努力するさま」「可能な限り力を尽くしてことを成すさま」という意味の言葉で、文字通り、努力する意志を示す場合や、努力でもってことを成す場合に用いるものです。
務めては、「役割や任務を引き受けて、その仕事をする」ことを意味し、責任や任務を果たそうとつとめる場合に用います。
勤めては、「会社などに雇用されて働く」ことです。つまり、勤務することを指します。使い分けに迷う場合には、努めては「努力」、務めては「任務」「責務」、勤めては「勤務」「通勤」といった熟語とともに覚えておくと良いでしょう。
(例文)
- 目標達成に向けて、より一層努めてまいります。
- 学業と部活の両立に、一所懸命努めます。
- 新プロジェクトのリーダーは、○○さんに務めてもらうことにしました。
- 議長としての務めをしっかりと果たします。
- 私の母は、看護士として病院に勤めています。
- 以前は、電機メーカーに勤めておりました。
日本語には、漢字の選択に迷うような言葉が多く存在します。しかしながら、漢字自体が持つ本来の意味を理解していれば、大抵の場合、選択を誤ることはありません。誤った漢字を使用して、相手に別の意味で伝わってしまうことのないよう、気を付けたいものですね。