老後のためにお金を準備したいのであれば、まずはiDeCoです。老後の資産形成に非常に効果的なiDeCoですが、個人の置かれた状況によっては、始めるべきかどうか迷うことがあります。今回は低収入、転職、子育て中、専業主婦の4つのケースについて、今、iDeCoを始めるべきか考えてみたいと思います。

  • 今iDeCoを始めるべき?

    今iDeCoを始めるべき?」

iDeCoとは

iDeCoは老後の公的年金を補うために、積み立てをしながら、運用を行い、自分の年金を作っていく制度です。積立金額を全額所得から差し引くことができるため、所得税と住民税を大きく軽減させることができます。また、運用で得た利益に対しては、通常20%かかる税金が非課税になるなど、税制優遇が大きな制度です。

iDeCoを始めるにあたっては、まずは、iDeCoの窓口である銀行や証券会社などで、口座を開設します。2019年8月現在、口座を開設できる金融機関等は200社を超え、どこの窓口で口座を開設するかによって費用が異なります。

費用は、初期手数料として2,777円がかかります。この金額は、どこの窓口で口座を開設しても同じ金額です。しかし、毎月発生する手数料は、窓口によって差があります。

最低金額は167円ですが、高いところだと600円以上します。よく調べてから申し込みをしましょう。

収入が低い場合

年収は300万円以下と低いのですが、老後に向けて貯蓄をしたいと考えています。年収が低くてもiDeCoを始めるべきでしょうか。(20代後半女子)

老後に向けて貯蓄を考えているなら、今からiDeCoを利用するのが良いでしょう。たとえば、年収250万円なら、毎月の手取りは12万円~15万円位と思われます。

仮にiDeCoの掛け金を1万円に設定したとすると、この方の節税効果は、所得税5%と住民税10%、合わせて15%の年間約1万8,000円です。まだ20代と若いですから、60歳になるまで30年以上あります。

この節税効果があと30年続くとすると、節税できるトータル額は54万円にもなるのです。スタートが遅れると、節税できる金額も少なくなりますから、年収が高いか低いかは関係なく、今からiDeCoを始めるのが良いでしょう。

転職する場合

現在転職を考えており、フリーランスになる可能性もあります。仕事が変わってもiDeCoを続けられますか? (30代後半女子)

iDeCoは職業に関わらず続けることができます。フリーランスになるかもしれないのであれば、厚生年金に加入しませんから、将来の年金は会社員に比べ少なくなってしまいます。なおさら、iDeCoに加入するのが良いでしょう。

注意点としては、退職したときにも手続きが必要になることです。加入する制度はiDeCoのまま変わりませんが、フリーランスになったのであれば、国民年金第1号被保険者への種別変更手続きが必要になります。

子育て中の場合

夫婦共働きで子どもが2人います。子育てにお金がかかり、将来への貯金があまりできていません。将来に向けて今iDeCoを始めるべきか迷っています。(30代前半夫婦)

子どもがいる場合は教育費がかかりますから、思うように貯蓄ができないことは多々あります。しかし、30代前半のご夫婦ということですから、まだお子様は小さいと思われます。子どもは、成長するにつれ教育費がかかりますから、むしろ今が貯めどきです。

また、2019年10月より幼児教育が無償化されます。今まで支払っていた保育料が減免され、家計の負担は減りますから、これを機にまずは、一度家計全体を見直すのが良いかもしれません。子どもへの費用に対して財布の紐がゆるみすぎていないか、習い事をされているなら、削れるべき習い事はないかなど家計のチェックをしてみましょう。

なお、幼児教育無償化の対象となるのは、3歳から5歳児クラスで、0歳から2歳児クラスの場合、無償化対象は住民税非課税世帯のみです。この条件に当てはまらないのであれば、今まで通り保育料は発生します。保育料は住民税によって決まりますが、iDeCoをすると住民税が下がり、その結果、保育料が下がるケースもあります。

以上のことを総合的に考えると、今からiDeCoを始めるのが良いでしょう。

専業主婦の場合

今は働いていますが、旦那の転勤で退職する可能性があります。専業主婦になった時、掛け金を払えるか不安です。(30代前半女子)

iDeCoは一度加入すると、途中でやめることができません。しかし、積み立てが厳しくなったら積立額を5,000円まで引き下げることが可能です。5,000円の積み立ても厳しくなったら、積み立てを停止することも可能です。

この場合は、積み立てた資産に対して、運用のみを行います。ただし、口座管理手数料は毎月発生しますから、できれば積み立てを継続しましょう。専業主婦になったとしても、貯蓄はするはずです。

また、専業主婦の場合、所得税と住民税の節税効果はありませんが、運用益に対する税金が非課税になります。通常であれば、約20%の税金がかかりますが、これが非課税になるのは、大きなメリットです。さらに、今は働いているのであれば、働いている今からiDeCoを始めるのが良いでしょう。

iDeCoをするなら早いほうが良い

さて、今回は4つのケースについてiDeCoを始めるべきかどうかをお伝えしました。iDeCoは転職をしても専業主婦になっても、ずっと付き合っていける制度です。老後の資産形成は、今や誰にとっても課題です。始めるなら、早いほうが良いでしょう。

筆者プロフィール: 前田菜緒(まえだなお)

ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者) 確定拠出年金相談ねっと認定FP AndAsset代表
7年間の保険代理店勤務を経て独立。資産運用と保険に強いファイナンシャル・プランナーとして、子育て世代向けに相談やセミナーを行っている。全国どこからでも受講可能なマネーオンラインスクールを毎月開催。自宅で学べる手軽さと講座内容のわかりやすさが好評。子どもが寝てからでも参加できるよう、マネースクールや相談は夜も行っている。 HP:FPオフィスAnd Asset