みなさん、激辛グルメはお好きだろうか? 筆者は正直、あまり得意じゃない。なぜかというと、食べるときにはヒィヒィ言って悶絶するし、翌日にはイタタタタ……とお腹を抱えて七転八倒するから。よく考えたら、どうして人はそこまでして激辛に挑むのだろうか。答えは、そこに激辛があるから……なのかどうかはわからないが、新たにオープンした「爆辛スパゲッティ専門店 青とうがらし 代々木店」が行列をなしていると聞いて、その答えを探すべく行ってみた。激辛どころか爆辛って!? いったいどんなお店なのだろうか。

  • いこうぜ、辛さの向こうへ!「爆辛スパゲティ専門店 青とうがらし」が美味い

    背後に写るデスソースたちに震えた

青とうがらし色の席に着席

『爆辛スパゲッティ専門店 青とうがらし 代々木店』は、飲食事業とブライダル事業を手掛ける「株式会社一家ダイニングプロジェクト」による元祖激辛スパゲッティ専門店『爆辛スパゲティ専門店 青とうがらし』の直営一号店。JR代々木駅から徒歩約1分、小田急線南新宿駅からも徒歩5分ほどの好立地に店を構えている。

  • いざ、爆辛への扉を開く

カレーやラーメンのイメージがある激辛グルメには珍しいスパゲッティの専門店ということもあって、7月1日のオープンにはお客さんが行列をつくったという。それにしても、なんでみんなわざわざ行列してまで辛さを求めるんだ!? と思いつつ店内を覗くと、取材時は平日の15時すぐにも関わらず、ほぼ満席。取材中もひっきりなしにお客さんが出入りしていた。開店直後ということもあって話題性があるとはいうものの、飲食店がひしめきあうエリアの中にあってすでに人気店になっているようだ。座席はカウンターのみで20席。見ると、椅子が思いっきり青とうがらしのカラーになっているではないか。なんだかすでにお尻が痛い気がしてきたぞ。

  • 座席はカウンター20席。椅子の色が青とうがらし! 壁にはユニークなオリジナルキャラクターが

まずは、辛の「辛子明太子」を食す

メニューは「青とうがらしのペペロンチーノ」「アラビアータ」「ミートカレー」「辛子明太子」の4種類のソースと3段階の辛さ、太さが異なる2タイプの麺、量を自分好みに組み合わせてオーダーできるのが特徴。通常メニューの価格は全品550円(税込)、テイクアウトは500円(税込)という驚きの安さだ。代々木駅周辺の予備校に通う若者にこの価格は嬉しいはず。辛さは「辛(+0円)」「激辛(+50円)」「爆辛(+100円)」の3種類。また、麺は中太麺(1.8mm)と極太麺(2.2mm)のどちらかを、量は「中盛(+0円)」「大盛(+100円)」「爆盛(+200円)」から選ぶことができる。ちなみに辛いものが全く食べられない! という方用の「爆普(+0円)」もある。

せっかくなので、いくつかの組み合わせを試食させてもらうことにした。麺は一回茹でてから1日置いて茹で置き状態で店舗に納品され、炒め上げてすぐに提供できるようにしているそうで、ランチタイムで忙しい日にもおすすめ。オーダーすると3分と待たずに出てきた。まずは「辛子明太子」の辛、中太麺、中盛から。

  • 「辛子明太子」の辛、中太麺、普通盛り。たっぷりな辛子明太子が嬉しい

えっ? ベースでもかなり量が多いな。しかも辛子明太子もどっさりで食欲をそそる。いただきます! 麺はもっちりした食感で、少し炒めた焦げ目もついており、香ばしさも感じられる。辛子明太子を麺に絡ませて食べるとほどよい辛さが広がってきて美味しい~! この美味しさとボリュームで550円ってかなりリーズナブルだ。そして、今のところそこまで辛くない。これなら辛さが苦手な人でも十分いけると思う。

次に激辛「ミートカレー」を注文

続いて、「ミートカレー」の激辛、極太麺、大盛。見た感じは普通のミートソースだが、口に入れてしばらくするとジワジワと辛くなってきた。激辛のもとになっているのは、ハバネロ。とうがらしの辛さを計る単位「スコヴィル値」を計測した辛さのランキングで5位だという。ハバネロって聞いただけで辛く感じてくる。だけど、このソースが辛みとまろやかさ、肉の旨味が絶妙でじつに美味。

  • 「ミートカレー」の激辛・太麺・大盛り。豪快な男の料理って感じだが、店内には女性のお客さんも多かった

しかも、麺が茹でた乾麺でもなく生パスタでもない感じで、食べているうちになんとなく懐かしい気分に。そうか、これって小学校の頃に給食で食べたソフト麺の食感に似てる! そう思ったら育ち盛りの子どものように食欲が出てきた。でも辛い! どんどん辛くなってきた。でも美味い。やめられない。徐々に、激辛スパゲッティの本領発揮となってきたところで、続いてのメニューが到着。

  • チーズで中和することもできるため、お店のチーズ消費量が半端ないらしい

最後は爆辛「青とうがらしのペペロンチーノ」に挑戦

いよいよ、一番のおすすめメニュー「青とうがらしのペペロンチーノ」へ。爆辛、極太麺、爆盛でオーダーしてみよう。うぉっ皿からはみ出してる!? しかも麺が本当に太い。見た目では辛さはわからないので、とにかく一口食べてみた。

  • 「青とうがらしのペペロンチーノ」の爆辛・極太麺・爆盛り。辛さ以前にボリュームがヤバい

うん、太いけどモッチリした麺で歯ごたえがとてもいい。にんにくの香りも食欲をそそる。爆辛のもとになっているのは、辛さランキング3位の「ブート・ジョロキア」。なんと、タバスコの約500倍の辛さ! 最初はちょっとだけ口に入れたので、さほど辛くは感じなかったのだが、次にフォークにガッと巻き上げて口に入れたら、あー、段々唇が痛くなってきた。

  • 自社栽培された青とうがらしがお店の売り

サービスでついてきたラッシーを飲んでちょっとインターバル。それでもいつの間にか舌もジンジン痛くなってくるぐらいに、辛い。青とうがらしは韓国品種で最も辛いと言われている青とうがらしを契約農家で自社栽培しており、この店を立ち上げるにあたって社員自らが種植えまでしたのだとか。そんな気合いが込められているだけに、やっぱり辛いよこれは。しかも麺の量も相当食べ応えあり。この辛さでこの量を食べるって、相当な激辛好きじゃないと大変かもしれないが、ペロっと平らげてしまう激辛マニアもいるようだ。

テーブルの調味料で"追い辛"も可能

さらに、「こんな辛さじゃまだまだ足りねえ! 」というマニアの方には、テーブルにデスソースなどの辛み調味料が置かれているので自分好みのカスタマイズも可能。尚、もっともっと辛さがほしい人は、お店に追加で辛み調味料をリクエストしてほしい。テーブル上にあるもの以外にも、「死神」「日本一辛い黄金一味」など数種類の辛み調味料を取り揃えているのだ。店内のどこにも貼りだされていないのに、こんなに激辛コマンドを用意しているとは。この店ちょっとヤバい。試しに「蠍」と書かれた小さな容器からパウダーをちょこっとかけてみたら、と微量なのにとんでもなく辛い! 本当に蠍が口に入ってきたかと思うぐらいインパクト大。勇気のある人は是非どうぞ。

  • テーブル上には置いてない辛み調味料ラインナップ。店員さんにリクエストしてみよう

こんな感じで、やっぱりヒィヒィ言いながら汗をかきつつ食べたわけだが、辛さ以上に感じたことは、スパゲッティの美味しさ。麺のモッチリ感もいいし、それぞれのソースもしっかりしていて、とても丁寧な味だった。代々木店の他に、町田店もオープンしており、今後も出店地域を広げていくようだ。これから定番になっていきそうな激辛スパゲッティ。みなさんも辛さの向こうにある美味しさにたどり着いてみてほしい。

●information
「爆辛スパゲッティ専門店 青とうがらし 代々木店」
東京都渋谷区代々木1-36-5 理容文化社ビル
営業時間:11~23時
休:不定休