NHKの連続テレビ小説『なつぞら』(毎週月~土曜8:00~)で、広瀬すず演じる主人公なつが育った柴田家の長女・夕見子役を演じる福地桃子。夕見子は自立心に溢れた性格で、歯に衣着せぬ本音トークが、視聴者から絶大に支持されている。北海道大学に入学してからはしばらく出番がなく、“夕見子ロス”という言葉も飛び交ったくらいだ。

  • 福地桃子

    『なつぞら』夕見子役の福地桃子

そんな夕見子が14週のラストで久しぶりに登場し、北海道に帰省中のなつと再会。夕見子は友だちの車で送ってもらったと言うが、その相手が恋人かどうかは定かではなかった。その後、夕見子がいきなりなつの下へ上京してくるが、どうやら駆け落ちをしてきたらしい!?

夕見子役を好演している新進女優の福地桃子を直撃。朝ドラ3度目のオーディションで夕見子役に選ばれた福地の素顔は、強い少女・夕見子とは真逆の、とても柔和でゆっくりと言葉を吟味して話す美少女だった。

――まずは北海道ロケをしてみた感想から聞かせてください。

私は東京生まれですが、祖母が北海道で、景色などのいろんな情報や匂いに触れる機会が幼い頃からあったので、そういうゆかりのある場所でのロケはありがたいなと思う瞬間が多いです。夕見子の台詞にある「もっと広い世界を見てみたい」という思いは、私も常に持ち続けていたいと思っていて。私と夕見子の性格は共通点が少ないのですが、夕見子の芯の部分と自分が持っているものは、そんなに遠くない気もしてきます。

――朝ドラに初出演してみて、印象はいかがですか?

朝ドラは観てくださっている方が本当に多いなと思います。ただ、夕見子はいろんな意味で強さを持っているキャラクターなので、普段の私もそうだと思われていることには、少しびっくりしています。おそらく自分よりもキャラクターとしての夕見子を愛してくださっているんだなと。

周りの方から聞いたのですが、私が道を歩いていた時、通り過ぎてから「今の、夕見子だったよね。夕見子ちゃんですか? と聞けば良かったけど、聞きづらいよね」と言われていたそうで(笑)。夕見子のことだから、聞けば怒られるんじゃないかと思われていたみたいですが、声をかけていただけたられたら素直にうれしいです。また、役のイメージが定着していくのは嬉しい事なのですが、本当の性格を知ってがっかりされてしまわないかなと思ったりもします。

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――確かに今、お話をされている福地さんは、物腰もしゃべり方も夕見子とは全く違うという印象を受けます。

私自身も最初は、みなさんも最初に感じたであろう夕見子のデリカシーがないところというか、彼女の不器用な表現の仕方を、全部が全部受け入れられたわけではなかったです。自分とは考え方が違うぶん「なぜこういうことを言うんだろう?」と、悩んだ時期がありました。もしかしたら、今までお芝居をいくつかやらせていただいたなかで、一番難しかった役かもしれません。

――葛藤していたなかで、何か突破口は見つかったのですか?

クランクインする前は、そうやって悩んだのですが、撮影が始まって、柴田家の撮影シーンが1週間続いたなかで、あまり深く考えないようにしてみたんです。それは、家族のなかに入ると、夕見子のちょっときつい発言も不思議と馴染んで、バランスが取れていることに気づいたからです。

現場でみなさん1人1人が役作りをされて、家族になろうとしている空気を感じた時、「自然体で、出る言葉に身を任せてみよう」と思い、気持ちが楽になりました。また、家族と一緒にいると、夕見子の不器用な表現もふふっと笑える愛に変わる瞬間を、自分も感じることができたんです。

――その不器用さ、真っ直ぐさが、夕見子の魅力だと思いますし、実際に夕見子がなつの背中を押すシーンが何度かありました。

その時の台詞も「なつに後悔してほしくない」という一心で言っているものばかりでした。彼女なりの不器用な伝え方でしたが、夕見子の強くて優しい部分を、私が一番感じていたと思います。それから自分自身も夕見子の魅力をもっと伝えたいと思うようになりました。そういう役へのアプローチの仕方はやっていて自然体でいられるので、役を好きになることはすごく大事だと、今回教えてもらいました。

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――14週の最後で、久しぶりに夕見子が登場した時、SNSでも「待ってました!」という声が上がりました。さらに16週は夕見子が駆け落ちしてきたので、夕見子ファンの方々もその動向をドキドキしながら見守っているではないかと。

また、夕見子らしく、場を引っかき回しますが、登場の仕方として、夕見子はトラブルメーカーみたいに思われているのではないかとも思います(笑)。いい意味でも悪い意味でも常に真っ直ぐなので、本人は自分が突拍子もない行動を取っているという自覚がないのかなと。反抗心というのはきっとなくて、ただ単に自分の意志を貫き通して行動しているだけだと思うので、自分もピュアな気持ちで意志を曲げずに演じたいと思いました。

――最後に視聴者の方々へのメッセージをお願いします。

東京編で、また新しい波を起こせるような存在になれたらと。物語が進んでいくごとに、『なつぞら』はさらに面白い展開になっていくので、楽しみにしていただけたらなと思っています。

■プロフィール
福地桃子(ふくち・ももこ)
1997年10月26日生まれ、東京都出身。2016年にドラマ『潜入捜査アイドル・刑事ダンス』で本格的に女優デビューし、ドラマ『あなたには帰る家がある』(18)や『チア☆ダン』(18)に出演。映画は『あまのがわ』(19)で初主演し、『あの日のオルガン』(19)にも出演。

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