『カルテット』『大豆田とわ子と三人の元夫』『エルピス―希望、あるいは災い―』の佐野亜裕美氏がプロデュース、『きのう何食べた? season2』『ひらやすみ』の松本佳奈氏がチーフ演出を務めるドラマ『銀河の一票』(カンテレ・フジテレビ系、毎週月曜22:00~ ※FODで配信中)が好評だ。
選挙を裏で仕掛ける“選挙参謀”の主人公・星野茉莉を黒木華、「政治は遠くにあるもの」として過ごしてきた“政治素人の都知事候補”月岡あかりを野呂佳代が演じる、異色のバディものが誕生した。
本格的には初共演となる2人を直撃。互いの印象に始まり、佐野プロデューサーからもらった言葉、現場で覗く素顔を聞いた――。
たった一言で「やばい、頼もしい!」
――第1話のクライマックス、夜のビルの非常階段の踊り場にいた茉莉が飛び降りると思って、追いかけてきたあかりが慌てて手すりから引き離し、2人で座り込みながら語るシーンが大きな反響を呼びました。
黒木:今、ようやくチームができてきて、ひとりで世界に向かっていた茉莉に、足りないところを補ってくれる仲間が加わり、「アベンジャーズ」のようなチーム感で一緒に向かっていくシーンが多くなっています。ひとりではないという気持ちになれますし、現場も賑やかで楽しくて。そのスタートとして、1話ラストの非常階段の踊り場での2人のシーンは記憶に残っています。あそこから始まったという気持ちがあるので、とても好きなシーンでもあります。
――あのクライマックスは、脚本を読んだ段階から泣き、放送でもっと泣きました。演じているおふたりは、脚本を読まれる際、まずは演じることは考えずに読むのでしょうか。
黒木:そうですね。私はまず物語として全体を読んで、改めて自分の役を意識して読み直すのですが、あのシーンは泣けますね。
野呂:私はだんだん「こうやったほうがいいかな」って思いが入ってきちゃって、一時中断みたいになっちゃうんですよね。でも最近は慣れてきて、まずはフラットに読めるようになりました。フラットに読んだことで自然に出てくる感情もありますし。泣くという点では、今回の作品は特に、登場人物がみんな一生懸命で、何回読んでも泣けます。
――本格共演は初となります。最初の印象と、撮影を経て変わったこと、発見したことを教えてもらえますか?
黒木:テレビで拝見していた時は、明るくてかわいらしい方だなと思っていたのですが、共演してさらに素敵な方だなと思い、より好きになりました。ご自身も「素直」とおっしゃっていますが、その素直さが人への気遣いとして出ていたり、お芝居にも出ていてとても心に響きます。
野呂:黒木さんって、笑顔を見るとホッとするような感じの方ですけど、同時に、結構キビキビ動いている役柄も多いじゃないですか。だから最初はちょっと緊張していたんです(笑)。本読みの時もなかなか顔を見られなくて。そんな中で黒木さんが「大丈夫です」って一言言ってくれて。そのたった一言で「やばい、頼もしい!」って。
実際にお芝居をした時にも、私はこんなにたくさんセリフが多い役が初めてだったのですごく緊張感があったんですけど、投げたら全部受けてくれることに気づいて。その瞬間に最初の「大丈夫です」がつながって、それからはもう信頼してお任せしちゃっている、みたいな感じです(笑)
「すごいじゃん。すごいじゃん、私(涙)」
――蛭田直美さん(『しずかちゃんとパパ』『舟を編む ~私、辞書つくります~』など)のオリジナル脚本ですが、おふたりへの当て書きだとか。脚本を読んでいて、「ここが当て書きなのかな」と感じた部分はありましたか?
黒木:「蛭田さんから見た私はこうなのかな」と思いながら読んでいます。茉莉は、突っ走って人の気持ちを置いてきぼりにしてしまう時がありますが、かわいらしくて面白くもあるので、蛭田さんが想像するところから、さらに広げることができたらいいなと思っています。
野呂:私は、人のことがどうしても気になってしまうところが、脚本の中のあかりに近いかなと思います。あかりは、助けたい思いから気になってしまい、純粋に人を思う気持ちが強くなる人。自分もここまで人に相当助けられてきたと思っているので、その部分はとても気持ちよくやらせてもらっています。
――視聴者にもとてもファンが多い佐野プロデューサーと交わした言葉で、何か印象に残っているものはありますか?
黒木:最初の本読みで、私が今とは異なるお芝居をしていた時に、「もうちょっと柔らかい感じで。迷っているところがちゃんとあるほうがいいです」とアドバイスを頂きました。現場にもいつもいてくださるので、安心感が半端ないです。
――野呂さんは、もともと佐野プロデューサーの X(Twitter)をフォローしていたそうですが。
野呂:そうなんですよ! 佐野さんには、最初に私がやらなかったら「キャラクターを変える」とおっしゃっていただいて、今までに感じたことのないうれしさがありました。自分がこんな素晴らしい環境で仕事をさせてもらっているんだなって、日々ふっと実感して、泣きそうになる時があります。
――うれしさで泣きそうに?
野呂:黒木さんもそうですし、チームで楽しいなと思った後に、ぼ~っとしていると急に泣きそうになって。「ここ、すごいじゃん。すごいじゃん、私」みたいな(笑)
黒木:たしかに、ぼ~っとどこかを見られているとき、ありますね(笑)
野呂:そうなんです(笑)。ぼ~っとしながら上を見て、なんかいいなみたいな。お恥ずかしいんですけど、結構あります。


