JR九州は今年3月に日本信号・京三製作所と実施を決定した、電気転てつ機や軌道回路装置のCBM(Condition Based Maintenance : 状態基準保全)化に有効な技術や手段の共同開発に関してこのほど発表した。

  • 電気転てつ機

  • 電気転てつ機の動作データ(定常状態監視システム)

JR九州はICT等を活用した将来の労働人口減少を見据えた仕事のしくみづくりの一環として、鉄道信号設備である電気転てつ機や軌道回路装置の状態を遠隔監視できる定常状態監視システムを2017年4月に導入。今回発表された共同開発では、定常状態監視システムおよび過去の保全検査や設備故障時に得られたさまざまなデータを分析し、設備の故障や劣化時期の予測、設備修繕の意思決定支援を行うモデルの構築をめざすという。

共同開発では2つのテーマについて2年程度の開発期間を予定している。ひとつは設備故障を予測した的確な修繕定常状態監視システムから得られた電気転てつ機や軌道回路装置の動作データにもとづき、設備の故障時期を予測し、効果的な設備修繕を行うことでさらなる安全・安定輸送を図ること。もうひとつは設備の劣化を予測した取替計画の提案として、定常状態監視システムを活用して設備の劣化時期を予測し、効率的な設備の取替計画を支援することにより、さらなるコスト削減をめざす。あわせてJR九州では、同様の課題を持つ鉄道事業者へ参加の声かけを行っていくとしている。