京成電鉄は13日、今年度の鉄道事業設備投資計画について発表した。2019年度は総額227億円の設備投資を実施。「スカイライナー」車両AE形を増備して輸送力増強を図るほか、新型車両3100形の導入、駅施設リニューアルなどサービス向上に取り組む。

  • 京成電鉄の「スカイライナー」車両AE形。2019年度は1編成増備される

「スカイライナー」に使用されるAE形は8両編成で、現在は8編成が活躍中。今年度は新たに1編成増備し、成田空港輸送の輸送力を増強する。具体的な輸送力増強の内容は決定次第、発表するとのこと。

成田スカイアクセス線用の新型車両3100形は8両編成で、今年度は2編成を新造。外観デザインにオレンジを取り入れ、飛行機や沿線各所のイメージイラストがデザインのアクセントに。車内は座席の一部を折畳み式とし、スーツケース置場としても利用できるようにするほか、中間車両にフリースペースを設置する。

3000形は全編成を対象に、車内案内表示装置を4カ国語(日・英・中・韓)対応の液晶ディスプレイ(LCD)に更新する工事を進めており、今年度中に全編成の更新が完了する予定。3000形・3400形で進めているスタンションポールの座席中央部分への増設も、今年度中に全編成で完了予定となっている。2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、通勤型車両への車内防犯カメラの設置も進める。

空港第2ビル駅は改札口のレイアウトを変更し、24人乗りの大型エレベーターを新設。よりわかりやすい案内看板に改修するほか、防犯カメラも増設する。空港第2ビル駅・成田空港駅で照明のLED化も実施。成田空港駅でホームドアの設置(事業主体は成田空港高速鉄道)も予定している。他の駅でもホームドア導入に向けた検討を行う。

京成上野駅では防犯カメラを増設するほか、東京メトロとの連絡地下通路をリニューアルする。京成西船駅などで駅舎内外装の改修も実施。八千代台駅ではエレベーターを増設してバリアフリー化を図り、京成幕張本郷駅では待合室の設置工事を行う。西登戸駅などで内方線付点状ブロックの設置も進める。C-ATS(列車自動停止装置)と連動させ、ホーム上の非常停止ボタンを押した際、自動的に列車が停止する改修工事も進めており、今年度中に全駅で整備を完了する予定となっている。

昨年発生した塩害への対策として、高圧配電線のケーブルヘッドを耐塩型に交換する工事を実施。今年6月までに全線で交換を終え、その他の対策についても検討を進めるとしている。宗吾参道~公津の杜間では、集中豪雨などによる線路脇斜面の土砂流出を防ぐための法面補強工事を実施。駅舎・橋脚等の耐震補強工事も引き続き取り組む。

踏切設備や変電所の設備機器をはじめ、鉄道施設の更新・改良も行う。四ツ木~青砥間の連続立体交差事業において、仮下り線工事を進めるとのこと。他にも「京成アプリ」のバージョンアップ、駅務機器の利便性向上などを予定している。