南海電気鉄道は26日、「みさき公園」事業から2020年3月31日をもって撤退すると発表した。

  • 南海電鉄が「みさき公園」事業からの撤退を発表(写真は2014年撮影)

みさき公園は1957(昭和32)年に開園して以来、約62年間にわたり、動物園やイルカショーを核とした自然に包まれた総合遊園地として、沿線のファミリー層を中心に支持されてきたという。開園30周年を迎えた1987(昭和62)年には、大型レジャープール「ぷ~るらんどRiO」を開設。1989(平成元)年度には年間来場者数約72万人を記録している。

しかし、その後はレジャーの多様化によって年間来場者数の減少傾向が続き、2017年度はピーク時の半分となる約36万人にまで減少。収支についても、長期にわたって営業損益の赤字が続いており、新イルカ館「シャイニースタジアム」の建設、鉄道体験施設「わくわく電車らんど」の新設など需要喚起策を実施してきたが、来場者数の減少傾向に歯止めがかからず、抜本的な収支改善には至らなかった。

このような中、2017年度の決算において、同事業にかかる約33億円の減損損失を計上。その後もあらゆる再建策について検討してきたが、事業継続が困難であると判断し、2020年3月31日をもって「みさき公園」事業からの撤退を決定したとのこと。なお、みさき公園の今後について、地元の岬町とも十分に協議していくとしている。