東京急行電鉄は26日、同社が保有する目黒線の車両を6両編成から8両編成に順次変更すると発表した。新型車両3020系(3編成)も含む全26編成を対象に、2022年度上期から8両編成化を進め、2022年度下期の東急新横浜線開業までに完了を予定している。

  • 東急目黒線の車両5080系。現在は6両編成で運行

東急目黒線は東京メトロ南北線・都営三田線と相互直通運転を行い、2008(平成20)年6月に日吉駅まで延伸。現在は目黒~日吉間で急行運転も実施しており、利便性向上により利用者も増えているという。田園調布~日吉間で東横線と並走し、日吉駅で横浜市営地下鉄グリーンラインと接続するほか、2022年度下期には東急新横浜線が開業し、東急線・相鉄線の相互直通運転が行われる予定となっている。

今回の発表によれば、目黒線の混雑緩和と利便性向上を目的に、2022年度上期から東急電鉄が保有する車両を6両編成から8両編成に順次変更し、輸送力の増強を行うという。同社保有の車両は現在、計23編成あり、2019年秋に新型車両3020系が6両編成で運行開始し、3編成を導入する予定。2022年度上期からの8両編成化は新型車両3020系を含む計26編成を対象とし、2022年度下期(予定)の東急新横浜線開業までに完了予定としている。

輸送力増強の効果として、現行ダイヤ(3月16日改正)で想定した場合、「朝ラッシュピーク時(7:50~8:50)1時間あたり、不動前駅~目黒駅間(上り方向)で約21,000人から約24,000人と約13%増加する見込みです」と東急電鉄。ピーク時に不動前~目黒間(上り方向)で運行される列車24本のうち、9本が同社保有の車両で運行されている。この9本をすべて8両編成にした場合、約2万4,000人の輸送力になると同社は説明する。

  • 東急目黒線の新型車両3020系は2019年秋に6両編成で導入。2022年度上期以降、東急電鉄が保有する他の車両とともに8両編成化される

8両編成化にともない、ホームドアを2両分追加する必要があるため、目黒線の全13駅で整備を進める。ホームの両端に1両分ずつホームドアを追加するイメージとされ、8両編成列車の運行開始までにホームドア設置を進め、ホーム上の安全対策に取り組むとのこと。

■埼玉高速鉄道も8両編成列車の運行に向けた工事

東急目黒線・東京メトロ南北線と相互直通運転を行う埼玉高速鉄道も、近年の浦和美園駅周辺の発展と沿線人口および利用者の増加を受け、サービス向上と輸送力増強を目的に、埼玉スタジアム線で2022年度上期から8両編成列車を運行すると発表した。

同社線は開業当初から8両編成列車の運行を想定したホームの土木工事などをすでに済ませており、今後は追加的な工事を実施。埼玉スタジアム線全区間を対象に、信号設備・ホームドア増設などの工事を今年4月から開始する。2022年度上期(予定)以降も当面は6両編成列車が運行され、8両編成列車へ順次移行する予定となっている。