お笑い芸人のカンニング竹山が、きょう16日に放送されるフジテレビ系バラエティ番組『超逆境クイズバトル!! 99人の壁』(毎週土曜19:00~)に解説として出演する。1月2日に放送されたNHK『新春テレビ放談2019』に出演した際、“おすすめ番組”として挙げていたが、実際に収録を見てどのように感じたのか。

インタビューを行うと、『99人の壁』に加え『アオハルTV』(毎週日曜21:00~)でもゴールデンタイムで若い制作者の抜てきが続くフジテレビ、そしてテレビ界への熱いエールを語ってくれた――。

  • カンニング竹山(写真:マイナビニュース)

    カンニング竹山

■『99人の壁』スタジオは活気

――今回『99人の壁』の収録に初めて参加されたということですが、印象はいかがでしたか?

子供たちもたくさんいて、みんな楽しそうでスタジオに活気のある感じがしました。(佐藤)二朗さんの空気づくりだと思います。ただ、いろんなジャンルに精通してる“総合的なクイズのプロ”もいらっしゃったので、そういう人だらけになってしまうと他のクイズ番組との差別化ができないなというのは、ちょっと思いましたね。でも、それを選別したり、制限するのは難しい。例えば「プロ」という席を作るとか、「東の壁にはプロがいる」という仕組みにするのがいいのかなとか、考えながら見てました。

――結構制作者目線で番組に参加されるんですね。この番組の魅力というのは、どんなところでしょうか?

冷静に考えるとクリアできるたった5問なんですけど、ブロッカーの壁がどんどん大きくなって、プレッシャーもあって、なかなか突破することができないというところの面白さですよね。あと、視聴者が参加できるというところ。お勉強のクイズになると、ほとんどの視聴者は分かんなくて「すげぇ」しか言えないから、難問が分かる人と教育したいママたち以外は「クイズ番組嫌いだよ」って見なくなる。でも、『99人の壁』の場合は、すごく失礼な言い方だけど、「バカでも楽しめる」という作りで視聴者のプライドを傷つけないから、この感じがもっとワイワイ盛り上がると面白くなってくるなと思いますね。

  • 『超逆境クイズバトル!! 99人の壁』(フジテレビ系、毎週土曜19:00~)
    100人の一般公募の参加者の中から選ばれた1人のチャレンジャーが、得意ジャンルを武器にブロッカー(=壁)となった残り99人の参加者を相手にクイズバトル。16日(19:00~21:00)の2時間スペシャルには、落語、安室奈美恵、スニーカー、英語、東京大学、茨城県、乃木坂46、平安時代、台湾、パリピ、中森明菜、スプラトゥーン、奈良県、絶対音感、メロン、一人っ子、激辛、神社、回文、太宰治、ムーミン、記憶力…などを得意とする老若男女100人が参戦し、SPワンマッチゲストとしてアパホテルの元谷芙美子社長が登場する。 (C)フジテレビ

■10年後に花開くのはどこの局か

――今年の『新春テレビ放談』で、この『99人の壁』の千葉悠矢さん(25歳)と、『アオハルTV』のマイアミ啓太さん(32歳)という若い制作者をゴールデンの演出に起用したフジテレビを評価したほうがいいとおっしゃっていましたよね。

僕が偉そうに言えるわけじゃないんですけど、今後のテレビをどうしていったらいいのかというのは、フジテレビだけじゃなくて、他の局もみんな困ってると思うんですよ。視聴者層が上がってきてるから、そこに目線を向けた番組を作らなきゃってなるけど、インターネットやスマートフォンがこれだけ普及した中で、本当にそれでいいのかと思ってるスタッフはいっぱいいる。そんなときに、「どうなるか分かんないけど、若い制作者に1回任せてみるか!」っていう番組があったほうが、僕は面白いんじゃないかと思うんですよね。なぜなら、ベテランの人だって昔は若かったわけだから。ずっと若い子に作らせないと、上がいなくなったときに、それこそ本当にクリエイターがいないということになってしまう。種をまいておくっていうのは、局としては正しいことだと思うんですけどね。

  • 『99人の壁』千葉悠矢氏(左)と『アオハルTV』マイアミ啓太氏

――若い感性への期待というのもありますか?

やっぱり流行の先取りをしてきたのがテレビだから、若い知識で作っていたほうが視聴者の全然知らないことも出てくるような気もします。だから、そういう番組があってもいいんじゃないかと思うんだけど、スポンサーさんの関係とか、そういうので難しいじゃないですか。編集の技術や能力の問題というのもあるし。でも、土曜の7時や、日曜の9時に、負ける確率が高いけど置いてきたっていうのは、勝負勘があると思うんですよね。そこをもうちょっと評価してくれてもいいのになと思って、『新春テレビ放談』で言いました。仮に今結果が出なくても、いろいろ経験していけば中堅になったときに良い番組を作り出すんですよ。

――『99人の壁』に俳優でMC初挑戦の佐藤二朗さんをキャスティングしたことについても「やるなぁ」と評価していましたよね。

僕ら芸人にとっては商売上がったりですけどね(笑)。自分にオファーが来たら、それは「僕がやりたい」ってなりますけど、その画ヅラだと見たことあるじゃないですか。いつもの芸人さんがMCだと安心感はあると思うんだけど、その先がないですから。見たことない画で行ったほうが何か爆発するかもしれないというワクワク感がありますよね。

  • 『99人の壁』MCの佐藤二朗 (C)フジテレビ

――そんな若い制作者を積極的に起用しているフジテレビは、変わってきたなと感じますか?

そう思いますね。なかなかすぐにうまくはいかないと思いますけど、必要なことですよ。世間的には負け戦って言うと思うんですけど、負け戦やんなきゃいけないと思うんですよね。お金がかかって難しいけど、それをやることによって何で負けてるのか、何がダメなのかって分かってくるじゃないですか、経験だから。そういう思いもあって、ヒロミさんも『アオハルTV』に乗ったと思うんですよ。あの枠でなかなか厳しいのは分かってるから。マイアミは、そんなベテランと一緒にやって教えてもらったり、逆に「これやってください」ってお願いしたりしながら徐々に形になっていくと思うので、10年後に花開くのはどこの局なのかっていうのを考えなければいけないですよね。

――マイアミ啓太さんとは『とんねるずのみなさんのおかげでした』からのお付き合いですか?

(太田)一平(チーフプロデューサー)さんから紹介されてメシ食ったりしてますけど、エラい熱い男ですよ。「なんかやろう!」っていうのが出てて、ただただ熱い(笑)。まだまだ雑だけど、フジテレビ愛がすごいんですよ、マイアミって。「フジテレビ変えないとしょうがないっすよ!竹山さん!」みたいな感じでグイグイくる。久々にこんな男と出会ったっていう感じがしますよね。だから、こういう人たちが変えていくんだろうなあって思いながら、ずっと付き合ってます。