観客が0人だったトークライブ

――『M-1』決勝進出者会見では、「地下の地下で活動していた」とも話されていました。

布川:今年の9月くらいには、お客さんが0人の前でトークライブをしたこともありましたね。トークライブでは僕らの昔の話をしたので、ただお互い知ってる話をしあうという状態で、「なんだこれは。誰に対して話しているんだ」と思いました(笑)。

みちお:僕はお客さんがいてもいなくても関係ないですね。感情を持っていないので。

布川:一番怖いな(笑)。「キャ~」だよ、お前(笑)。

――『M-1』でみちおさんは、中川家の礼二さんから「この人、普段怖いんやろうな」と言われてましたね。

みちお:「優しいですよ~」と言ったんですけど、全然ウケませんでした。

布川:色んなところで言われるよね。おぎやはぎさんや爆笑問題さんにも言われてたよな。

みちお:村人と友達になりたいけど、バケモノだから仲良くなれないという童話『泣いた赤鬼』の気持ちがよくわかります。

布川:かなしいな~(笑)。

『M-1』決勝進出で「不覚にも泣いてしまいました」

――決勝進出を伝えられたときの心境をお聞かせください。お2人とも泣かれていましたね。

みちお:エントリー番号順の発表だと思っていたら違っていて、頭が混乱していたら、「919番 トム・ブラウン」と聞こえて、思わず「えっ」と言っちゃいました(笑)。最初はビックリした後、実感がこみあげて泣きました。

布川:準決勝は正直、3回戦や準々決勝ほどの手ごたえがなく、呼ばれないかなと思っていたので、訳が分からなかったですね。そしたら、みちおが号泣してたので、冷めました(笑)。

みちお:いやいや、泣いてただろ(笑)。

布川:僕は泣きそうじゃなかったんですけど、奥さんに電話したときに不覚にも泣いてしまいました(笑)。何年か分からないぶりに泣いちゃいましたね。

――後輩のコスモスライダーの石田さんのTwitterでは、後輩芸人たちが決勝進出に大喜びされている動画が公開されていました。他にもそういった激励はありましたか。

布川:決勝前にはかなりLINEが来て、恥ずかしかったですがうれしかったです。みんなが神輿を担いでくれました。今までの人生でなかった経験です。

みちお:敗者復活戦が終わったのち、決勝に行けなかった人たちで集まって見ていたらしくて、(敗者復活戦で2位だった)プラスマイナスさんが僕らの時に「トムブラウン行け~!」と言ってくれて。負けた人全員の星みたいになれたのはうれしかったです。みんなに応援してもらった感じで、本当に感慨深かったです。

『M-1』で口走ってしまった「ほげえ~」

――『M-1』本番では、6位に終わったものの、審査員からは評価するコメントが多かったですよね。振り返ってみていかがですか。

みちお:率直に興奮しましたね。子供の頃から見ていた松本(人志)さんに「めちゃくちゃ面白い」と言われるのは1時間前には考えられなかったことですし。(立川)志らく師匠にも97点、塙(宣之)さんにも93点の高得点をつけていただきました。

布川:自分の中ではマイナスなことを言われると想定してました。特に志らく師匠は落語家さんなので、一番点数が悪いんだろうなと思っていたら、「もう1本ネタ見れないのが寂しい」と言っていただきました。気持ちが高ぶりすぎて、「ほげえ~」って訳が分からないことを口走ってしまって(笑)。

みちお:今、アドリブで出たみたいな言い方をしましたけど、2日くらい前から「言うから」って決めていましたよ。録画している方は改めて見てほしいんですけど、ちょっと前くらいから「ほ」の口になってるんですよ(笑)。しかも「ほげえ~」じゃなくて、「ほげえですね」って一番意味が分からない感じになってましたし(笑)。

――香取慎吾さんが以前に『こちら葛飾区亀有公園前派出所』で両津勘吉を演じたとき、「ほげえ~」とよく言っていましたよね。やはりそこから来てるんですか。

布川:あ、そうなんですか! 知らなかったです。僕の脳からの発想だと思っていました。これは恥ずかしい(笑)。

みちお:だって実写版も見てたもんね。絶対そこからだよ。

布川:僕、『こち亀』のコミックもかなり持っているんで、『こち亀』っぽい言葉もよく使うんですよ。まさに「ほげえ~」ですね(笑)。