帝国データバンクは10月15日、最低賃金改定に関する企業の意識調査(2018年)の結果を発表した。調査期間は2018年9月13~30日、調査対象は全国2万3,101社、有効回答は9,746社。

消費回復への効果、「ない」が54.6%

  • 給与体系見直しの有無(出典:帝国データバンクWebサイト)

2018年度の最低賃金の改定は、政府が年率3%を目途として、全国加重平均1,000円を目指す中、最低賃金が時給で決まるようになった2002年度以降で最も高い引き上げ額となった。

最低賃金の改定を受けて、自社の給与体系を「見直した(検討している)」企業は44.0%、「見直していない(検討していない)」企業は40.0%。前回調査(2016年9月)と比べると、「見直した」は9.0ポイント増加し、最低賃金改定が従来よりも給与体系を見直すきっかけとなっていることが窺える。

従業員を採用する時の最も低い時給は全体平均で約975円と、最低賃金の全体平均874円を101円上回った。業界別にみると、「サービス」が約1,016円と最も高く、以下、「不動産」(約1,009円)、「建設」(約1,003円)との順に。都道府県別では、「東京都」が約1,071円でトップ、次いで「神奈川県」(約1,048円)、「大阪府」(約1,010円)と続いた。

今回の最低賃金の引き上げ額について、「妥当」と答えた企業は43.8%で、「低い」の15.2%、「高い」の13.7%を大幅に上回った。ただし、消費回復への効果については、「ない」が54.6%を占め、「ある」は9.0%にとどまった。

2018年度に賃上げを実施した企業は83.1%で、内容は「定期昇給」が62.2%、「賞与(一時金)」が36.4%、「ベースアップ」が33.4%。一方、賃上げを行っていない企業は12.0%だった。