――藤井さんのお話を聞いて、田中さんはどうお感じになられましたか。

田中:こんな話をしたことがほぼほぼないので、話半分で聞いています(笑)。

――田中さんから見て、表現者としての藤井さんの魅力はどんなところなのでしょう。

田中:藤井隆というのは、本当にすごく不思議なんです。プライベートも含めて20年近くお付き合いさせてもらっているんですけど、どんどん形が変わっていっている人だと思うんです。これから先、藤井ってどうなるんやろう?って、それが一ファンとしてワクワクするんですよ。うまく言えないんですけど、遠藤の明日の仕事は気にならないんですけど(笑)、藤井の明日の仕事は気になるんです。藤井は明日何をやってんねやろって。遠藤を含めて3人とも仲がいいんですけど、みなさんからしてみても、僕とか遠藤って想像できると思うんです。でも藤井って、こんなに長く一緒にいても想像できないんです。

藤井は芸人としてキャリアをスタートさせたんですけど、そこから「ナンダカンダ」(2000年)でデビューしたじゃないですか。僕は藤井の音楽活動がすごく好きなんですけど、デビュー曲が本当に衝撃的だった。それはなぜかというと、今までもお笑いの先輩方が曲を出されることってたくさんあって、素敵な曲がいっぱいあるんですけど、コミックソングでもなく、ポップスをしっかり歌って踊る、という同世代の芸人さんがいませんでしたから。そこで藤井が「ナンダカンダ」で歌手デビューした時に、僕はすごく驚いたんです。「なんてことをするヤツがいるんだ!」と思いました。

しかもそれを自然にやっている。もちろん、藤井にもいろいろな思いもあったと思うんです。まわりからの意見とか、それを受けての自分の思いとかももちろんあったと思うんですけど、僕はその歌手活動がまずすごいなと思って、しかもそれをずっと続けているじゃないですか。そこがまずすごいなって思うんです。

その中でいろんなことをやっている。お芝居であったり、音楽活動の中でレーベルを立ち上げたり。形を変えているというか、活動の幅が増えていっているんですよね。それが自分にとってすごく刺激になっています。だからいい意味で、こんなに気になる人はいないかもしれないです。だからこそ、今何をやっているのか聞きたいですし、藤井の明日のスケジュールも、藤井より先に教えてくれへんかなって。それによってこっちの動きも変わってくるから(笑)。それくらい、すごく楽しみで気になる存在です。

お芝居に関しては、次にどんな役をやるのかがわからないんですよ。なぜなら、僕が藤井隆って人をわかっているようで、たぶんわかっていないから。いろんな役がくるのはそういうところだと思うんです。藤井って、優しくて、すごく気が付く人で、仲間をすごく大切にする人でという一般的なイメージはあるんですけど、でも本質的なところは意外とみんな知らないと思うんです。自分もそうなので。たぶんそこがワクワクさせられるところなんじゃないかなと思って、見ていて楽しいんです。自分ができないことをいっぱいやっているからというのもあるんですけど。

――ありがとうございます。それでは最後に、今回の映画の見どころをそれぞれ教えていただけますでしょうか。

藤井:今回は北九州でのロケがすごいことになっていますし、たくさんのエキストラの方に力をお貸しいただいて、たくさんの迫力ある映像に仕上がっています。上堀内 佳寿也監督は本当に熱い方で、監督のこういう映像を撮りたいという思いが映画にも表れていると思います。子どもたちには本当にすごく勇気をお渡しできる作品になっていると思うので、ぜひ劇場で見てほしいし、大人のみなさんにも胸に迫るものがあると思います。

田中:本当にスーパー戦隊作品はどんどん進化していると思うんですけれども、さらに進化した作品になっていると思います。すっごいカッコいいなと思うアングルもいっぱいで、ルパンレッドとパトレン1号のWレッド同士のやりとりも見どころですし、ほかのメンバーの活躍もぜひ注目してほしいです。

藤井隆(ふじい・たかし)
1972年生まれ。大阪府出身。
1992年デビュー。よしもと新喜劇やバラエティで活躍し、2000年に浅倉大介プロデュースによるシングル「ナンダカンダ」でデビュー。スタイリッシュな楽曲とダンスで話題を呼び、『NHK紅白歌合戦』への初出場を果たした。俳優としてもNHK大河ドラマ『真田丸』(2016年)、TBS系ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(2016年)、など数々の作品に出演する。

田中直樹(たなか・なおき)
1971年生まれ。大阪府出身。
1992年に遠藤章造とのお笑いコンビ・ココリコ(旧: ココリコボンバーズ)でデビュー。日本テレビ系バラエティ『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』などのバラエティに加え、日本テレビ系情報番組『ZIP!』ではパーソナリティーを務める。映画やドラマなど俳優としての評価も高く、三谷幸喜監督『みんなのいえ』(2001年)では日本アカデミー賞新人賞を獲得した。サメなどの動物に非常に詳しいことでも知られている。

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