家計の出費のなかで一番高額になりがちなのが家賃。できるだけ安く抑えたいというのが本音ですよね。実は、家賃の値下げ交渉は可能です。ただ、借り手が多い時期に値切ろうとしても、うまくいかないことがほとんど。値切りやすい時期や物件などについて解説します。家賃の値下げ交渉をするなら、時期を見計らって交渉しましょう。

価格交渉しやすい時期は4月以降!

進学や転勤など、引っ越し時期が限られてしまう状況でなければ、繁忙期を外した方が掘り出し物件を見つけられるかもしれません。賃貸市場の年間の動向を見てみましょう。

1月~3月:物件が豊富な繁忙期

日本は4月に新年度が始まるため、新入社員や新入生が賃貸物件を探して入居するのが3月末ということが多いです。また企業の人事異動の時期も2月、3月が多く、春が引っ越しシーズンとなります。そのため、不動産会社はこの時期を目指し新築や中古物件のリフォームなどを計画することが多いのです。人気のエリア、人気の物件は早いうちに決まっていくので、繁忙期に引っ越さなくてはならない人は、即断即決に近い動きをしなくてはなりません。ゆっくり物件探しをするにはあまり向いていない時期であり、家賃交渉も困難だといえるでしょう。

4月~6月:繁忙期のあとの穴場時期

実は物件探しの穴場となるのがこの時期です。繁忙期を過ぎた物件は1年中空室になる可能性があるため、値下げに応じてもらいやすくなります。気に入った物件があったら積極的に家賃交渉しましょう。

7月~8月:あまり動きがない閑散期

物件が少なく、家を探す人も少ないのが夏休みのこの時期。気に入った物件があれば、もっともお得に借りられるのがこの時期かもしれません。閑散期なので、貸主も値下げ交渉に応じてくれやすいのです。探す人が少なく、お互いに余裕があるため、交渉もしやすい時期といえます。

9月~10月:物件が充実し始める第2繁忙期

企業の異動が出る時期にあたるため、第2繁忙期と言われています。1月~3月ほどではないものの、新築物件や中古物件が増え、物件が充実し始める時期です。値下げ交渉の観点から言うと、難しい時期だといえるでしょう。

11月~12月:繁忙期に向けて動きが出る時期

繁忙期に向かって準備が進む時期です。この時期に引っ越す人は少ないものの、物件が出始めます。不動産情報サイトなどにも、人気の条件を満たした物件が増えます。1年近く空いたままだった物件であれば、家賃交渉する余地があるかもしれません。

値下げ交渉ってどれくらいできるの?

家賃の値下げ交渉をするなら、契約の手前でするといいでしょう。このくらい下げてもらえたら、借りてもよいという状況の方が、値下げ交渉をしやすくなります。また値下げというと家賃と考えがちですが、初期費用の中に、よりお得になる値下げポイントもあります。

値下げ交渉のポイントと流れ

家賃交渉をするなら、だれがどの項目に権限を持っているかを考えて交渉しましょう。家賃を決めるのは基本的に貸主ですので、仲介業者である不動産会社には決定権がない場合がほとんどです。

①礼金:管理会社でも交渉の価値あり

礼金は管理会社と貸主で折半にしているケースが一般的であり、管理会社との交渉でも下げてもらえる可能性があります。2か月分を1か月分にしてもらえれば、かなりの値下げになります。たとえば、6万円の家賃で2年間住む予定であれば、礼金を1か月分に下げることで、1か月の家賃が2,500円下がったのと同額の節約になります。

②フリーレント:二重家賃は避けたい!

居住中の家も賃貸の場合、できる限り二重で家賃を払うのは避けたいところ。通常、新居の家賃は契約日から発生することが多いですが、居住中の家賃支払いが終わる時点まで待ってもらったり、入居日からにしてもらうといった交渉がしてみる価値ありです。

③家賃:相場などはチェックしておいて!

家賃は、相場や貸主の思い入れなどを加味して決められているものです。あまり大きな額を値切るのではなく、1,000円~2,000円くらいの額で交渉してみましょう。

③設備の交換

金額ではなく古くなっているエアコンや、トイレなどの水回りなど、設備の交換を交渉してみるもいいでしょう。気になるところをお願いしてみましょう。交換してもらえない場合には、その分家賃を下げてもらえるかという交渉につなげられるかもしれません。

④仲介手数料

仲介手数料は、1か月の賃料を超えてはいけないことになっています。賃料の半額、3割といった割引交渉が可能な場合もあります。

⑥更新手数料

更新手数料が必要な物件の場合、契約時になしにしてもらえないか交渉をしてみるのも将来の出費を抑える意味で有効です。

値下げ交渉の前に事前に調べておきたいこと

値下げ交渉をする際に、前もって調べておくと便利な項目について考えてみましょう。

相場

不動産サイトや不動産会社のチラシなどを確認して、付近の家賃相場をつかんでおきましょう。

地域の習慣

地域ごとに、礼金や敷金は何か月分といった商習慣があることがあります。どういった慣習になっているのか、知っておいた方が交渉しやすくなります。

交渉に使う言葉

フリーレント(家賃を払わずに住める期間)、礼金、敷金、仲介手数料といった言葉の意味を確認しておきましょう。

値下げしやすい物件の特徴とは?

人気物件は値下げをしなくても借り手がつくので難しいですが、値下げ交渉がしやすい物件を見つけるには、以下3点に注目してみてください。

1.長期間空室になっている

半年以上空いている物件は、貸主にとっては悩みの種のようなもので、家賃交渉に向いていると言えるでしょう。検討中の物件が、どのくらい空いているか不動産会社に確認してみましょう。

2.駅から遠い

駅から遠い物件は、あまり人気がありません。徒歩で20分以上、バスで15分以上といった物件であれば、家賃交渉の余地があります。

3.問題がある物件

線路や幹線道路に面していて音がうるさい、上階なのにエレベーターがない、日当たりが悪い、といった物件は、それらを指摘すると交渉しやすくなります。事故物件については公表義務がありますが、事故後1度でも入居があった場合などはそれ以降公表されていないこともあります。気にならない人であれば問題ないですが、近隣に確認しておくのもよいでしょう。

おわりに(家賃の値切りで役立つ知識)

家賃交渉をするなら、繁忙期を避け閑散期の試みるのがいいでしょう。交渉しやすいのは、難がある物件、駅から遠い物件、空室期間が長い物件。難があるけれど気に入った物件であれば積極的に交渉しましょう。家賃の値下げが難しい場合、礼金などを交渉してみるのもひとつの作戦です。



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