異世界犯罪者集団ギャングラーに挑むルパンレンジャーとパトレンジャーの激闘を描いたスーパー戦隊シリーズ『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』は、2018年2月の放送開始以来、対照的な2つの"戦隊"の濃いキャラ同士がぶつかりあう、予測不可能なストーリー展開で好評を得ている。

ここでは、頑固者のリーダー、パトレン1号/朝加圭一郎(演:結木滉星)と、男勝りでありながらカワイイもの好きをこじらせるパトレン3号/明神つかさ(演:奥山かずさ)の下で、使命に燃える若手警察官・パトレン2号/陽川咲也を演じる横山涼が、マイナビニュースのインタビューに登場。おっちょこちょいな憎めないキャラクターで、『ルパパト』の癒しポジションでありながら、最近では先輩二人に振り回され、ツッコミ役をこなすこともある咲也を演じる横山に、咲也の魅力や、演じる上での思いを訊いた。

横山涼(よこやま・りょう)。1995年生まれ、東京都出身。日本テレビ系ドラマ『先に生まれただけの僕』(2017年)、三池崇史監督映画『風に立つライオン』(2015年)、山田洋次監督作品『母と暮らせば』(2015年)などに出演。特技は歌、ラップで、テレ朝夏祭り内のトークイベントでも見事な即興ラップを披露し、会場を盛り上げた。撮影:大塚素久(SYASYA)

――放送から半年が経ち、ご自身の中で変わったなと思うことはありますか。

僕の中で変わったことというか、日に日に感じていることなのですが、パトレンジャーは快盗と違って、「警察官としての正義」と「ヒーローとしての正義」という二つの正義があるんだなと。パトレンジャーの中で、その二つが共通していてつながることもあれば、それぞれが別で、片方だけが大きくなっていることもあるんです。

――それは「快盗」に対する「警察」、「ギャングラー」に対する「警察」と「ヒーロー」、という『ルパパト』ならではの構図ゆえかもしれません。

そうですね。「警察官としての正義」は想像がつきやすいところかもしれません。「ヒーロー」のほうは、街で声をかけていただいたり、反響をいただいたりする中で、「ヒーローとはなんなんだろう」というのが掴めてきたり、また疑問が生まれたりしています。そこはずっと考えながら演じていることなので、これからも変化していくのかもしれません。

――パトレンチームを見ると、上にずいぶんとクセの強い先輩が二人もいて、実は咲也は一番マトモだったりしますよね。

僕が一番びっくりしたのはそこなんですよ(笑)。最初いただいた設定の段階では、圭一郎先輩は少し堅物な感じがあって、つかさ先輩はクールな大人の女性。それで僕が後輩でおっちょこちょいというのことだったので、その中だったら咲也が一番ふざけているのかなと思っていたんです。

でもフタを開けてみたら、あの二人ってすごいじゃないですか。圭一郎先輩は、なんだか狙っていないおもしろさがあって、つかさ先輩もギャップをすごく出してきて。咲也としては、むしろこのままじゃいけないなという焦りもありますね。

最初は、堅物の二人がいる中で、癒しの部分になれれば……と思っていたんですけれど、そんなんじゃなかったですね(笑)。むしろ二人へのツッコミじゃないですけど、たまに引いた顔をしていることすらありますから(笑)。「マジか! この先輩……」みたいなのもあるので、関係性や自分の役割に対しての意識は変わりました。

――高尾ノエルという、またやっかいなメンバーも増えましたしね。

新しい方とお芝居をすると、そこに緊張感も生まれます。でもそれはノエルに限らず、キャスト同士でもお互いに負けられないなという思いはありますね。『ルパパト』では、最初からいたキャラの関係性をこれまで描いてきたこともあって、新しくノエルが入ったことで、ノエルがこう言ったら咲也はこう反応するんだなとか、そういうところは新鮮でした。これまでにない関係性なので、台本にないような、ちょっと話をしているだけのシーンでも、何を言えばいいのかとあらためて考えるようになりました。

――初期の時点では、ノエルのような追加戦士がくることはわかっていたのでしょうか。

最初のころはわかっていなかったですね。ノエルは快盗と警察のどちらにでもなれるというのも驚きでしたし、正体もバレないようにするのかなと思っていたら、思いっきりバラしてくるし。でもノエルについては、彼が本当に何を考えているのか、何が目的なのか、僕たちもその本心をずっと知らなかったんですよ。

――半年が経って、対峙してきたルパンレンジャーに対する意識で変わったことはありましたか。

設定上だと、ルパンレンジャーは大切な人を取り戻すために戦っていて、その目的のためには誰かが欠けてもいいと思っていて、一方の警察は力を合わせて戦う組織としてのつながりが中心にあります。でも、快盗のほうが仲間思いのシーンが多いんですよ。「誰かが死んでも……」と言っているけれど、なんだかんだすごく思い合っているよねって。そういうところが僕はすごく好きですね。