――映画ならではの要素といえば、劇場版ゲストの勝村政信さん、藤井隆さん、松井玲奈さんの登場がありますね。このお3方の印象をお聞かせください。

"3人"というのは、それぞれのキャラクターのバランスをとりながら描いていかないといけない人数なんです。だからキャスティングもなかなか難しいところで、ポイントを狙って1人だけキャスティングを固めてしまうと、3者が合流したときにバランスが取れなくなってしまう危険があるのですが、勝村さん演じる伊能をメインのポジションに据えて、藤井さん、松井さんが(出演を)お引き受けしてくださったとき、非常にいいバランスだなと直感したんです。実際に同じ画面に並んでいただいて、こんなにもしっくり来るか?っていうくらい画として出来上がっているのに驚きました。

戦兎からすると「異分子」でありながら、こちら側はまとまっていて意志の疎通がはかれている。お3方がそろった日は1日くらいしかなかったのですが、みなさん初対面の段階ですでに役柄をつかんでいて、すんなり役に入ってくださいました。撮影していて楽しかったですね。1人1人の細かい芝居がきっちりとつながって、最高の悪役トリオになってくれています。

――劇中には、新たなライダー「仮面ライダージオウ」がテレビシリーズに先駆けて登場することも話題になっています。

新ライダーを話の途中で出してくるというのは、今の段階ではどうやってもストーリーの上で整合性がとれないと思うんです。だからこそ、インパクトで勝負しようと考えました。次に新しいライダーがテレビで始まるぞ、という期待感をみなさんに持ってもらいたいという思いで、登場シーンを演出させていただきました。

――最後に、『劇場版 仮面ライダービルド Be The One』の見どころを教えてください。

1つは北九州で撮影させてもらえた「大規模ロケ」。伊能の演説シーンであったり、ビルドが群衆に追いかけられるシーンであったり、北九州であんなに大勢のエキストラさんに集まっていただかなかったら、撮れていない画ばかりです。映画を作っている我々身内が見ても驚く規模の人たちが出ていますので、みなさんにもこの迫力を体感していただきたいです。 そしてもうひとつはドラマパートで、戦兎を軸とした仲間たち全員の「絆」を観ていただきたいです。戦兎から見た、仲間すべての絆が1人ずつ描かれていて、その中でももっとも強い絆を持っているのが万丈だという。そこが、映画をご覧になった方たちの心にいちばん入ってくるところじゃないかな、と思います。この2つを、僕としては推して撮っていたつもりですので、ぜひお楽しみください!

劇場版「ビルド・ルパパト」製作委員会 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映