一人暮らしの防災。備えておかなきゃなぁと思いつつ、いざとなれば1人くらいどうとでもなるのでは……と思ってしまいますが、普段の生活の中で少し工夫しつつ備えられたら便利ですよね。今回は、生活の中で気を付けられる一人暮らしの防災について、不動産・住生活ライターの高田七穂さんにお話を聞きました。

 地震が続いているけど、一人暮らしだから不安だなあ。どうすればいい?

普段の生活の中からでも、備えていくのがおすすめです!

最近、大阪で震度6弱、島根県で震度5強の地震が発生しました。2年前の2016年4月には熊本県や大分県で震度7を記録する大地震が起きています。熊本や大分では、今でも仮設暮らしの方もいらっしゃいますし、復興は完全には終わっていません。被災された方々にお見舞いを申し上げるとともに、私たちも少しでもできることに目を向けたいものです。

地震はいつどこで起きてもおかしくありません。一人暮らしだからこそ、いざというときのことを考えて備えましょう。食料保管や家具転倒対策はもちろんのこと、周囲の人たちとの連絡方法を確認しておきたいものです。

食料と水

食料と水は必ず保管しておきましょう。実家に帰ろうにも交通網が遮断されれば、しばらく一人で生活しなければならない可能性があります。電気が復旧するまで10日ほどかかるため、最近では「備蓄は10日間分」と言われ始めています。

行いたいのは、日頃から食べているものを少しだけ増やして購入し、減ったら買い足していく「ローリングストック」という方法です。たとえば、普段、ソバやうどんなどの乾麺を食べているなら、2~3袋ほど余分に買っておきましょう。

災害時は不便な毎日を過ごすことになりますから、せめて食事だけでも食べ慣れたものを取りたいものです。

家具も転倒防止策を

家具の転倒防止も必須です。家具は前に倒れるので、高さのある家具をベッド回りに置くのは避けましょう。また、避難路の確保も考えます。玄関やベランダへの通り道がふさがれないように家具の向きを考えて配置します。

阪神淡路大震災では「テレビが1メートルも前にふっとんだ」という話がありました。テレビなど重いものの下には粘着シートを貼るなどの対応もしたいものです。荷物が散乱しても、ベッドの下の手が届きやすい位置にスリッパがあれば、避難に支障がなくなるでしょう。

安否確認も

一人暮らしでもっとも大切なのは、安否の確認です。家族に無事であることを伝えるために連絡手段を確保しましょう。近くの友人とも連絡を取れるようにしておきたいもの。

安否確認にはSNSを始め、「Google パーソンファインダー」「災害用伝言ダイヤル(171)」などさまざまなものがあるので、複数の方法を確認しておきます。

なお、必ずしも携帯電話が使える状況にあるとは限らないので、公衆電話を利用できるように貯金箱や財布に常に10円玉を入れておくようにしたいものです。

高田七穂(たかだ なお):不動産・住生活ライター。住まいの選び方や管理、リフォームなどを専門に執筆。モットーは「住む側や消費者の視点」。書籍に『最高のマンションを手に入れる本』(共著)『マンションは消費税増税前に絶対買うべし!?』(いずれもエクスナレッジ)など。