夏のボーナスシーズンがやってきました。色々な使い道を考える中、それを元手に投資をするなら高い分配金利回りが狙える外国債券系のETFはいかがですか。

株に投資するよりも値動きが穏やかで、東証一部上場企業の平均配当利回りよりも高い利回りが期待できる特徴があります。

東京証券取引所で売買できる外国債券系のETF3選

ETFとは「Exchange Trade Fund」の略称で、証券取引所で売買できる投資信託です。株と同じように取引時間帯はリアルタイムで値が動き、また売買できます。かかる費用には、売買するときに支払う証券会社への手数料とETFを運用するファンドに支払う信託報酬がありますが、信託報酬はETFの株価の中に含まれています。

また債券とは、国や会社が発行する借用証書を金融商品化したものです。我々がお金を借りるときと同じように、金額と期間と利息が定まっていますので、購入したときの元本に対して利息がいくら受け取れるかがあらかじめ計算できます。ETFでは債券の利息が分配金の原資になっています。日本国債の利回りは0.05%程度と定期預金と同じくらい小さいので、より大きな利回りが期待できる外国債券をおすすめにしていたりします。

ETFは基本的に「市場インデックス」と呼ばれれる「日経平均株価」や「TOPIX」といった指標値に連動するように運用することが目標になっています。この目標のことを「ベンチマーク」といいます。今回紹介するETFにもベンチマークが設定されています。中でも「債券」に関連するETFのうち以下の3つのETFが今回おすすめしたいETFです。

銘柄コード 銘柄名 運用会社 ベンチマーク 決算日(回数/年) 価格 時価総額 分配金利回り
1566 上場インデックスファンド新興国債券 日興アセットマネジメント バークレイズ自国通貨建て新興市場国債・10%国キャップ・インデックス 奇数月の10日(6回) 49,350円 145億円 5.93%
1677 上場インデックスファンド海外債券 日興アセットマネジメント FTSE世界国債インデックス(除く日本、ヘッジなし・円ベース) 毎月10日(12回) 49,700円 170億円 3.18%
1482 iシェアーズ 米国債7-10年 ETF ブラックロック・ジャパン FTSE米国債7-10年セレクト・インデックス(国内投信用 円ヘッジ円ベース) 1,4,7,10月の11月(4回) 2,239円 43億円 1.98%

※2018年6月6日の終値を基準に計算しています

いずれの債券のベンチマークにも見慣れない指標値が並んでいますが心配無用です。各国の国債価格などをベースに計算している客観的な数値であり、資産運用のプロたちが分散投資の資産構成を考えるために使っているからです。資産の構成や運用の結果は「目論見書」や「運用レポート」で確認できます。また「ヘッジ」とは為替の値動きをETFの価格に反映しないように工夫することをいい、1566と1677はヘッジなし、1482はヘッジありです。

東証一部上場企業の平均配当利回り約1.60%よりも高い分配金利回りが期待できます。上場インデックスファンド 新興国債券はブラジルやインドネシアといった新興国の国債に投資、同 海外債券は先進国を含めた日本以外の国の国債に投資、iシェアーズ 米国債7-10年 ETFは、日本国債よりも安全と言われる米国国債に投資するETFです。

いずれのETFも東京証券取引所に上場していますので、証券会社で株を売買するときと同じように購入できます。上場インデックスファンドは5万円ほど、iシェアーズ 米国債は2,300円ほどで購入できるので、3ファンドすべて購入しても10万円程度。ボーナスの一部で投資するのにちょうどよい金額です。ボーナスからの投資だけでなく毎月の積み立てにもよいかもしれません。

  • ここで紹介している外国債券系ETFに限らず、ETFは証券会社で株を売買するときと同じように購入できます。(マネックス証券での注文画面例)

定期的に分配金収入が得られて値動きが株よりも穏やかなのがメリット

なぜ外国債券系ETFがおすすめなのか。答えは2つです。

1.定期的に分配金収入があると生活費や娯楽費などの足しにできる
2.個人では手が出しにくい債券の複数投資でき株よりも値動きが穏やか

それぞれ詳しく解説します。

1.定期的に分配金収入があると生活費や娯楽費などの足しにできる

投資の入門書では複利効果を狙って再投資を行い雪だるま式に資産を増やしましょうとか、分配金の受け取り回数が多いほどと課税回数も多くて元本を取り崩しかねませんという説明を目にします。確かに投資効果を最大にするなら分配金を受け取らず再投資したほうがよいですが、定期的な分配金受け取りがあることによって投資をしているという実感が得られます。得た分配金はちょっといい食材を買い込むなどの生活費に充てるなりレジャーを楽しむ費用に充てるなりして生活が楽しめれば、結果的に投資が長続きするのではないでしょうか。

別の視点で分配金は元本の取り崩しになるのでは? と思うかもしれませんが、債券に投資した利息部分を受け取っていることになるので、基本的に元本の取り崩しはないと考えてよいです。ちなみにETFの値動きは債券の価格変動に依存することが多いです。ちなみに債券には金利が上がると価格が下がるという特徴があり、それにつられてETFの市場価格が連動します。

2.個人では手が出しにくい債券の複数投資でき株よりも値動きが穏やか

ETFや投資信託などのファンドの特徴として「プロに運用をおまかせできる」という特徴があります。とりわけ個人では購入しづらい債券にETFを通じて投資できれば、投資の幅が広がります。

また複数の債券に少しずつ投資してくれていてリスク分散ができるのも特徴の一つです。また株よりも債券のほうが穏やかな値動きになることが分かっていますので、外国債券系ETFは、分配金狙いで長期保有する金融商品の理にかなっているといえます。

  • 2013年2月~2018年1月までの投資資産別の値動きの騰落率(変化率)を見ると、右側3つの国債のほうが左3つの株よりも幅が小さいので値動きが穏やかであることがわかります。図中の「当ファンド」とは上場インデックス新興国債券のことで、一般的な新興国債よりもさらに騰落率が低いことがわかります。
    引用元:上場インデックス新興国債券の目論見書

高い分配金利回りが期待できる外国債券系ETFは、名前からわかるように日本国内で発行されている債券には投資していません。日本企業の株をすでに保有していたとしたら、今回紹介した外国債券系ETFを併せて保有することで投資地域のリスク分散にも活用することができます。ボーナスからの投資にぜひ検討してみてください。