映画『万引き家族』(6月8日公開)の親子三世代試写会舞台挨拶が3日に都内で行われ、リリー・フランキー、城桧吏、佐々木みゆ、是枝裕和監督が登場した。

  • 左から城桧吏、佐々木みゆ、リリー・フランキー、是枝裕和監督

    左から城桧吏、佐々木みゆ、リリー・フランキー、是枝裕和監督

是枝監督は5月20日(現地時間19日)、映画『万引き家族』(6月8日)で最高賞のパルムドールを受賞。日本映画の同賞は、1997年の第50回カンヌ国際映画祭にて今村昌平監督作品『うなぎ』が受賞して以来21年振り、カンヌのコンペで日本映画が受賞するのは是枝監督の『そして父になる』以来5年振りとなる。

11歳の城は「自分が映ってることをとても不思議に思って。良い作品に出来上がったなと思って、すごく嬉しかった。良かったです」と大御所発言。是枝監督はかしこまって「ありがとうございます」と頭を下げる。佐々木は「海で遊んだことがすごく楽しくて、オーディションに受かって良かったなと思いました」と語った。

リリーから「2人とも台本をもらってないですけど、出来上がった時に、リリーさんこんなにお尻出してるとは思わなかったでしょう?」と聞かれると、城は「はい」と苦笑。城はパルムドールの反響について、「学校の人からは『おめでとう』とか、『一番すごい賞でしょ』って聞かれたり。すごいねっていう人が多かったです。生活には変化はないですね」と明かした。また、6歳の佐々木は「『佐々木みゆちゃんだよね』と言われた。こないだは学校で4年生が飛び出してきてました。『めっちゃかわいい』って言われました」とはにかんだ笑顔を見せた。

パルムドール受賞後初の監督との対面となり、パルムドール像とも初対面。家では段ボールでパルムドール像を工作していたという佐々木は「ダイヤモンドでできているの? プラスチックかな?」と率直に疑問を表し、周囲を笑わせる。パルムドール像を触った城は「この手は洗いません」と宣言し、佐々木は「ここ(腕)が痛い。マイクより重たい」と訴えていた。

同作について是枝監督は、「いろんな目線で見られるようには作っていて。リリーさん安藤さんから親の目線で見るとちょっと切ない。子供の目線でこのラストを見ていくと、親を超えて成長していく、彼らの目線の先にはちょっとだけ希望が感じられるような映画にしたいなと思って作った」と振り返る。「リリーさんからも、自分の出番がない時にも『今日のみゆはどうでしたか』と寂しそうなラインが来るので、2人の写真を撮って送ったり。カメラが回ってないところでもあたたかいつながりがみんなで作れた」と明かした。

本作の主役は、祖母の年金で足りない生活品を万引きで賄う"万引き家族"。社会の底辺でありながら笑いの絶えない生活を送る中、近隣の団地の廊下で震えていた幼女・ゆりを娘として育てることに。ところが、ある事件をきっかけに家族はバラバラに引き裂かれ、それぞれが抱える秘密と切なる願いが次々と明らかになっていく。リリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優、池松壮亮、緒形直人、森口瑤子、山田裕貴、柄本明、高良健吾、池脇千鶴、樹木希林らが出演する。