JR東海は30日、東海道新幹線の「次期軌道状態監視システム」を新規開発し、N700S確認試験車に搭載して走行試験を開始すると発表した。多項目かつ高精度な軌道状態監視が日々可能となり、適切な時期の保守作業により乗り心地がさらに向上するという。

  • N700S確認試験車は3月20日から走行試験を開始している(写真は3月10日の報道公開にて撮影)

同社は東海道新幹線において、走行中の営業列車で軌道の状態を計測し、データをリアルタイムに中央指令等へ送信する「軌道状態監視システム」を導入。日々の軌道状態をとらえたタイムリーな保守作業を可能とし、乗り心地の維持・向上に貢献してきた。

新たに開発した「次期軌道状態監視システム」では、汎用のセンサ類(加速度計、レーザ変位計、ジャイロ)を組み合わせることで計測項目を追加。現行システムの「レールの形状(上下方向のずれ)」に加え、「レールの形状(左右方向のずれ)」「左右レール間の距離」「左右レールの高低差」も次期システムの計測項目となった。

また、同社が独自に開発した演算プログラムにより計測精度が向上するとともに、低速走行時の計測も可能(現行システムの計測条件は70km/h以上。次期システムの計測条件は30km/h以上)に。N700S確認試験車に搭載するため、小型・軽量化も図られている。「次期軌道状態監視システム」を搭載したN700S確認試験車は6月から走行試験を開始する。