東海道・山陽新幹線の次期新幹線車両として製作を進めてきたN700Sの確認試験車(16両編成)が完成し、10日にJR東海浜松工場で報道公開された。

  • 16両編成となったN700S確認試験車が報道公開された

N700Sでは「デュアル スプリーム ウィング形」と呼ばれる先頭形状や、さらなる機能向上を図った台車振動検知システムなど、小牧研究施設での技術開発成果を反映した新技術を採用している。先頭車は両サイドにエッジを立てた形状とすることで、走行風を整流して最後尾車動揺を低減するとともに、トンネル突入時の騒音も低減されるという。

一層高品質な車両を低コストかつタイムリーに、国内外問わず提供可能な「標準車両」を実現したことも特徴のひとつ。車両の床下機器を徹底して小型・軽量化し、最適な床下機器配置としたことで、16両編成の基本設計を用いて12両・8両などさまざまな編成長の車両をさまざまな線区へ容易に適用させることが可能となった。

最高速度は東海道新幹線285km/h、山陽新幹線300km/h。曲線通過速度(R2500m)275km/h。起動加速度2.6km/h/s。編成出力17,080kW。電動車比率は「14M2T」、ユニット構成は「4両1ユニット」とされている。乗車定員は1,323名(グリーン車200名、普通車1,123名)。今回公開されたN700S確認試験車は3月20日から走行試験を開始し、新技術の最終確認を行う。次期営業車両(量産車)は2020年度をめどに投入される予定だ。