――『ゲキレンジャー』ではひたすら、理央に純粋な愛を捧げて散っていったメレですが、今回は理央のいない現世に復活を果たしたことになります。これについてはどんな感想を抱かれましたか。

今回の作品では、現世に未練を残した歴代スーパー戦隊シリーズの悪の戦士たちが甦り、"ヴィランズ"としてキュウレンジャーや宇宙刑事たちと戦います。しかし、メレの場合は理央さまのそばにいることが一番なのですから、現世に呼ばれても何もやることがないんですよね。理央さまのいない世界に未練も何もないわけで。思惑に振り回されながらも、メレの本音というか真の思いというのは、ところどころににじみ出てきます。そんなメレの一途な思いが、当時とまったくブレることなく貫かれているのはよかったと思いました。

――メレと同じくカメレオンの女戦士であるカメレオングリーン/ハミィとの絡みがとても印象的でした。ハミィを演じた大久保桜子さんの印象をお願いします。

桜子ちゃんは目の力がすごくて、とてもすがしがしい雰囲気を持っている女の子でした。もう、マイナスイオンが出てるんじゃないの?っていうくらい、周囲の空気をなごませる力を持った人でした(笑)。テレビシリーズでは元気いっぱいのハミィちゃんだったんですけれど、今回はいろいろと抱えるものがあって、私は主に苦悩している彼女の姿に接することが多かったですね。ヴィランズと行動を共にするハミィの、いつもと違うスタイル、いつもと違った表情などに注目です。

――今回の作品で、ドラマ部分の中核を担うのが「ハミィの裏切り」と「ハミィとメレの関わり」だと思います。坂本浩一監督はヒロインのアクションを魅力的に演出されることでも有名ですが、平田さんから見た坂本監督はどのように映りましたか。

坂本監督って、キャスト全員から愛されているんですよ。ドラマの演出だけでなく、アクション監督も務めていますしね。ヴィランズのアクションにおいても、ひとりひとりの個性を重視して、アクション演出を行ってくださるんです。『ゲキレンジャー』のときはJAEの石垣広文さんがアクション監督を務められていたのですが、坂本監督は石垣さんの演出とはまた違った中国拳法の型をふまえ、琉球古武術の武器であるサイを使った立ち回りをつけてくださいました。私も、獣人メレのスーツアクターを務めてくださった蜂須賀祐一さんの動きをイメージしながら、カッコいいメレを再現しようと頑張って演じました。

――メレのアクションといえば、今回は宇宙刑事シャイダーこと烏丸舟が女性大好きキャラで、あろうことかメレと仲良くなりたいと迫ってくる場面がありましたね。あそこで舟のアタックに困惑するメレ、という珍しいシーンが見られましたが、ああいったシーンについてはどう思われました?

今までにないメレのリアクションでしたよね。演じていて、非常に新鮮さを感じました。メレは強気な女性ですから、理央さまへの態度など、自分からガツガツ行くのは得意なんですけれど、男の人のほうから言い寄られると"弱い"んだな、ということがわかりました(笑)。シャイダーとの絡みで改めて、メレは理央さま以外の男性に一切興味がない、好きでもなんでもないってことがはっきりしましたね。一途な女なんです。