――メレおよびエスケイプ、腑破十臓、バスコといったヴィランズの登場が発表されたのは4月1日のことで、エイプリルフールということもあってYouTubeでは「新番組・スーパー戦隊ヴィランズ」というウソ予告映像が配信されて、特撮ファンの注目を集めましたね。

私もTwitterをチェックしていました! トレンドのランキングに「ヴィランズ」と出ていて、その下に「平田裕香」とあって(笑)。こんなに大きな反響があるなんて!と、うれしさと同時に驚きました。映像では「2099年4月1日、公開決定!」と書いてありましたけれど、本当に「ヴィランズ」主役の作品を作ってほしいんです。もう2020年くらいの公開でいいですから(笑)。

――観てみたいです! ところで、撮影は真冬の寒い時期に行われたそうですが、メレの衣装は露出が多いですから、寒さ対策などはどうされていましたか。

そうですね~。貼るカイロは欠かせないのですが、おっしゃるとおりメレの衣装を着て、目立たないように貼ることのできる場所が背中、お腹、お尻しかなくて。お腹も、貼る場所によっては見えてしまいますので、それだけは大変でしたね。でも、尋常じゃない寒さではありましたけれど、かつてこの衣装で1年間やってきているものですから、1週間くらいの撮影期間だったらぜんぜん平気なんですよ。むしろ、昔はこんな感じだったな、辛かった辛かった、寒~い! ヤバイ~!っていう、当時の過酷さを思い出すきっかけになりました。

撮影の合間にオフショットの写真を撮ったのですが、メレの衣装と一緒に防寒用の上着までも、衣裳の滝口晶子さんが当時と同じものを置いてくれていたんですよ。メレって、手足に装具を着けているので、ふつうの上着だと引っかかってしまって、脱いだり着たりがやりにくくて、そこで伊藤かずえさん(真咲美希役)が手作りで、メレの衣装に合わせた防寒着を作ってくださったんです。

――キュウレンジャー、そして宇宙刑事ギャバン、シャイダーを相手に立ちまわる「ヴィランズ」としての見どころを教えてください。

ヴィランズがそれぞれ、現世に甦ったシーンにまず注目してほしいです。1人1人のキャラクターの立ち方、振る舞いなどがヒーローたちと違って、すごく自由というか、宇宙忍デモストの話をじっとして聴いている人がいないところがいいんです。自分のしたいようにするスタイルを貫いているというか、みんなカッコいいんですよ。そしてヒーローたちと戦ったヴィランたちが、どのような"最期"を遂げていくのか。こちらもすごくカッコいいですので、ぜひ見届けてほしいです。

ヒーロー側、ヴィラン側どちらも数多くキャラクターが出てきますけれど、それぞれみんな愛すべき存在感があるんです。私たちヴィランズがかつてレギュラーで出ていた「スーパー戦隊シリーズ」のファンの方も楽しめますし、旧作をご存じない方たちにも興味を持っていただけるんじゃないかと思っています。数多いキャラクターが、いろいろな立場からストーリーにからんでいるので、どのキャラクターに注目するかで、さまざまな楽しみ方のできる作品になっています。1度だけでなく、何度も繰り返し観ていただきたいですね。

――最後に、およそ10年もの間メレの復活を待ち望んでいたファンの方たちに、ひとことメッセージをお願いします。

メレを待っていてくださったみなさま、この度はありがとうございます! 理央さまのいない世界で、メレがどんな振る舞いをするのか……。今回の映画はメレにとっての「スピンオフ」作品だと捉えていただいてかまいません。ハミィとメレとの、戦う女子同士のぶつかりあいや、心を通わせるシーンなどをご覧いただき、これから先、何年たってもファンの方たちの思い出に残り、愛される作品になっていればいいなと思います。

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