――まぶしい笑顔と、優しい話し方がとても素敵な平田さんですが、徹頭徹尾クールなメレをひさびさに演じるにあたり、特に意識された部分は何ですか。
今、東映特撮YouTubeオフィシャルで配信中の『ゲキレンジャー』を観ているんですが、観ながら「メレって、こんなふうだったんだ!」と、新鮮な気持ちで楽しんでいます。あのころは一生懸命、必死でメレを演じている感じがありました。当たり前ですが、今よりも若かったですし(笑)。とにかくあのときの1年間、メレを演じ続けてきたことによって、今ではいつどこでもメレになれるというか、特に意識をしないでメレを表現することができるようになりました。メレとはこういう人なんだと思いながら演じると、自然に声が低くなりますし、理央さまの前に立ったとしたら、自然に声や態度が舞い上がってしまうのではないかと思います。
――そういう意味では、今回は理央さま役の荒木宏文さんとの共演がなかったのが、少し残念に思えます。
そうかもしれません(笑)。
――メレの演技といえば、ハミィにハッパをかけるべく、彼女の頬をムニッとつまむところがとても印象的でしたね。
メレは他人と深く関わっていかない人なんですけれど、ハミィに対しては、何かと関わろうとするんです。そこで、どのように深くつながっていこうかと自分なりに考えて、ハミィを何かしらの理由をつけて"触ろう"と思ったんですよ。台本上で、このシーンならできるなと思って、テストのときにやってみたら、ハミィちゃんも受け入れてくださって。監督からもダメだと言われなかったので、そのまま本番となりました。
――ハミィに対して、あえて冷たい言葉をかけるメレですが、ハミィのことを思っての言動だというのが観ているほうにも伝わってきますよね。
メレって、ただ他人を応援する人ではないんです。焚きつけるとか、おちょくるとか、何かメレらしい関わり方がしたいと思って、ああいった動きになりました。
――まさに"ツンデレ"というか、メレなりの屈折した優しさの表現方法ですよね。ヴィランズという立ち位置を守った上で、メレらしく励ます。平田さんがメレというキャラクターをとても大事にして演じているところ、かつてのファンにも絶対に響くと思います。
そうだとうれしいですね~。