東武鉄道は24日、昨年5月から進めてきたた東上線ときわ台駅の駅舎リニューアル工事が5月30日に完成し、同日から使用開始すると発表した。

  • リニューアル工事中のときわ台駅舎

ときわ台駅の駅舎リニューアル工事では、板橋区や地元の協力を得ながら、駅が開業した1935(昭和10)年頃のデザインや色使いを可能な限り再現。開業以降、地域のシンボルとして親しまれてきた青色スペイン瓦の三角屋根や、その下に配された縦長の三連窓、大谷石の表面に幾何学的模様を凹凸で表現した壁面、大谷石貼りの柱脚などを残したほか、特徴的な破風板は塗膜を調査分析して開業当初の色で塗り直している。改札上部の欄間のデザイン等は過去の写真などを参考に再現した。

改札口を開業当初の位置に移設し、駅利用者向けのトイレを新設するなどの増築も行った。耐震性も向上し、より快適で安全な駅へと生まれ変わる。

  • 三角屋根や建具が特徴的な外観

  • 開業当時から残る大谷石の壁面・柱脚

  • ギャラリースペース「武蔵常盤小径」

ときわ台駅の駅舎および周辺に広がる常盤台住宅地の魅力を発信するため、開業当時の駅名「武蔵常盤」にちなんで名づけたギャラリースペース「武蔵常盤小径(むさしときわこみち)」を駅舎の壁面に新設。常盤台住宅地内の文化財などを紹介した全11面のパネルを設置する。設置にあたり、板橋区教育委員会や常盤台の景観を守る会などから貴重な資料が提供されたという。ときわ台駅では今後、駅舎に隣接した商業ビルの工事を進めていく。