ANAは4月25日、2019年春より東京=ホノルル線に導入する世界最大の旅客機エアバスA380の3機の機体デザイン、ならびに機内仕様を発表した。今回ANAが受領する「FLYING HONU」は、ファーストクラス8席、ビジネスクラス56席、プレミアムエコノミー73席、エコノミークラス383席の520席仕様で、エコノミークラスには日本の航空会社で初のカウチシート「ANA COUCHii」を導入する。

  • 「FLYING HONU」3機はそれぞれ、ハワイの「空」(ANAブルー)、「海」(エメラルドグリーン)、「夕陽」(サンセットオレンジ)をイメージ

3色の空飛ぶウミガメがハワイ心を刺激

ANAでは2016年の機材発注後、2017年にはA380特別塗装機のデザインと愛称をハワイで神聖な生き物として愛されるウミガメをモチーフに、「空飛ぶウミガメ」の意味をもつ「FLYING HONU」に決定するなど、新たなハワイ体験の提供に向け準備を進めてきた。

  • 2019年春より「FLYING HONU」を東京=ホノルル線に導入

ANAのホノルル路線としては初となるファーストクラスを導入するほか、フルフラットシートになるビジネスクラスには隣り同士でお座りいただけるペアシートを用意。また今回、エコノミークラスに日本の航空会社で初のカウチシート「ANA COUCHii」を導入する。

搭乗した瞬間からハワイの雰囲気やわくわく感を感じられるよう、ハワイの景観をイメージした機内のライティングや、機内でより自由に過ごしてもらうためのバーカウンター、着替えや授乳など様々な用途で利用できる多目的ルームを設置する。また、「FLYING HONU」の就航に合わせて、ホノルルにANAの空港ラウンジを設置する予定となっている。

2019年春以降、順次導入する「FLYING HONU」3機はそれぞれ、ハワイの「空」(ANAブルー)、「海」(エメラルドグリーン)、「夕陽」(サンセットオレンジ)をイメージした色と表情をもつデザインとなり、異なる個性をもった「FLYING HONU」を楽しめる。

全座席が「FLYING HONU」専用仕様

アッパーデッキ(2階席)は、ファーストクラス8席・ビジネスクラス56席・プレミアムエコノミー73席・メインデッキ(1階席)はエコノミークラス383席、うち後方60席はカウチシート「ANA COUCHii」となる。ファーストクラス・ビジネスクラス・プレミアムエコノミー・エコノミークラスの全クラスに、エアバスA380「FLYING HONU」専用のシートを用意する。

  • 「FLYING HONU」の構造

ファーストクラスにはエアバスA380のゆとりある空間を生かし、日本初となるドアを装備した個室型シートを導入する。32インチタッチパネル式大型液晶ワイドスクリーン、大型テーブル、食事灯と左右の読書灯、ジャケット収納可能なクローゼットや複数の小物入れなどの収納スペース、PC電源、USBポートなどを備える。

フルフラットになるビジネスクラスには、これまでのスタッガード配列を変更し、家族やカップルでの利用でも、隣同士で座れるペアシートを導入する。18インチタッチパネル式大型液晶ワイドスクリーン、大型テーブル、大型サイドテーブル、PC電源、2個のUSBポートなどを備える。

ゆとりある38インチのシートピッチのプレミアムエコノミーには、15.6インチのクラス最大級タッチパネル式パーソナルモニター(最前列は11.6インチ)設置。そのほか、レッグレスト・フットレスト(ヘッドレストは6方向に調整可能)、携帯電話などの小物の収納スペース、PC電源、USBポートなどを備える。

  • ファーストクラス・ビジネスクラス・プレミアムエコノミークラス

エコノミークラスには、最新薄型軽量シートを採用する。国内航空会社初となるカウチシートは、隣接する席のレッグレストを上げて、3席もしくは4席分をベッドのように利用することが可能。小さな子ども連れの場合でも横になってゆっくり休めるよう、「ANA COUCHii」専用の寝具も用意する。カウチシートは通常のエコノミークラス運賃に追加料金で利用できる。

エコノミークラス自体には、2種類の新ファブリックを採用し、明るい雰囲気を演出。34インチのシートピッチ(ANA COUCHiiは32インチピッチ)、13.3インチのクラス最大級タッチパネル式パーソナルモニター(最前列は11.6インチ)、6方向に調整できるヘッドレスト、PC電源、USBポートなどを備える。

  • エコノミークラスには日本の航空会社で初のカウチシート「ANA COUCHii」を導入

バーカウンターに多目的ルームも

「FLYING HONU」には、これまでのANAの機内にはない様々な機内設備を用意。ANA Wi-Fi Serviceも利用できるほか、「FLYING HONU」限定の機内コンテンツも配信を予定している。エンターテイメントサービスは全クラスA380ハワイ路線限定デザインとなり、ハワイ旅行への高揚感また、余韻を感じていただける画像や背景を用意する。

メインデッキ(1階席)後方には、着替え・パウダールーム・授乳など様々な用途で誰もが利用できる多目的ルームを設置する。多目的ルームにはシンクほか、ベンチシートや着替え台、おむつ交換台などを用意する。

  • 多目的ルームにはシンクほか、ベンチシートや着替え台、おむつ交換台などを用意

ファーストクラス・ビジネスクラス・エコノミークラスには、乗客が自由にドリンクやスナックなどの軽食を楽しめるバーカウンターを設置する。搭乗中もハワイの雰囲気やわくわく感を感じられるよう、機体外観の「空」「海」「夕陽」に加え、「朝日」「星空」「虹」などハワイらしい景観をイメージした壁紙やライティングを用意する。なお、グラフィック・ライティングの仕様は、各クラスや座席位置によって異なる。

  • 搭乗中もハワイの雰囲気やわくわく感を感じられるような、デザインやライティングを展開

AIのタマゴがウミガメになって情報発信

「FLYING HONU」就航に先駆け、チャットボット型のAIを活用したハワイ情報サイト「#hawaii24」がオープンした。同サイトでは、ハワイ好きを自負する1,000人へのアンケートで人気の高かったハワイの食やアクティビティー、観光地などの情報を掲載している。また、キュートなタマゴのAIがチャット形式で最適なハワイのオススメのスポットや現地で役立つお店の情報などを提案する。

  • たまごのAIから、ハワイ語で「空」を意味する「ラニ」たちが誕生

5月1日にはたまごのAIから、ハワイ語で「空」を意味する「ラニ」が誕生する。今後は「#hawaii24」以外の様々な場面で、「ラニ」に加えて、ハワイ語で海を意味する「カイ」、太陽を意味する「カラ」が登場する予定となっている。ANAで行くハワイ旅の手伝いができるよう、今後も情報を充実させていく。