ストレスや睡眠不足などが月経に影響を及ぼすのであれば、特に働いている女性は生理周期の変動が往々にしてあるはずだ。この期間のバラつきについて、船曳医師は「生理周期は毎回同じでなくてもいいです」と解説する。

「生理周期の変動は、6日以内ならば正常と考えられます。例えば、大抵28日周期だけど、数日前後する場合、生理周期は28日から33日までは正常と言えます。周期がバラバラのときは、まず基礎体温をチェック。排卵しているかどうか、すなわち、低温期と高温期があるかを確認しましょう」

また、不正出血を生理と思っているケースもありうる。例えば、排卵する直前の一時的なホルモン変動により2~3日出血することもあるが、この際に生理と錯覚するような量の出血をする人もいるという。

ホルモン変動以外の不正出血の原因には、「子宮内膜ポリープ」「子宮頚管ポリープ」「子宮筋腫」「子宮頸がん」「クラミジア感染症」などがある。これらは診察や検査なしでは発見できないため、日ごろから注意を払っておいてほしい。

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取材協力: 船曳美也子(フナビキ・ミヤコ)

1983年 神戸大学文学部心理学科卒業、1991年 兵庫医科大学卒業。産婦人科専門医、生殖医療専門医。肥満医学会会員。医療法人オーク会勤務。不妊治療を中心に現場で多くの女性の悩みに耳を傾け、肥満による不妊と出産のリスク回避のために考案したオーク式ダイエットは一般的なダイエット法としても人気を高める。自らも2度目の結婚、43歳で妊娠、出産という経験を持つ。2014年、健康な女性の凍結卵子による妊娠に成功。出産に至ったのは国内初とされる。著書に、「婚活」「妊活」など女性の人生の描き方を提案する著書「女性の人生ゲームで勝つ方法」(2013年、主婦の友社)、女性の身体について正しい知識を知ってもらえるよう執筆した「あなたも知らない女のカラダ―希望を叶える性の話」(2017年、講談社)がある。En女医会にも所属している。

En女医会とは
150人以上の女性医師(医科・歯科)が参加している会。さまざまな形でボランティア活動を行うことによって、女性の意識の向上と社会貢献の実現を目指している。会員が持つ医療知識や経験を活かして商品開発を行い、利益の一部を社会貢献に使用。また、健康や美容についてより良い情報を発信し、医療分野での啓発活動を積極的に行う。En女医会HPはこちら。