生理周期の計算方法や周期の長短にまつわる病気を知ろう

生理周期の計算方法や周期の長短にまつわる病気を知ろう

閉経していない成人女性の大半は、一定のサイクルのもとで生理を迎えている。生理期間の長さには個人差があるが、一度生理が終わってから次に生理を迎えるまでの日にち(生理周期)も人によって異なる。

ある程度同じ周期で毎回月経が来ればよいが、極端にバラつきがあるようだと注意が必要だ。思わぬ病気が潜んでいるかもしれないし、あまりにも不規則な生理周期は妊娠を望む場合にもネックとなりうる。そこで今回は、産婦人科専門医の船曳美也子医師に生理周期についてうかがった。

生理のメカニズム

生理時における出血は、子宮の内膜がはがれた際の血が体外に出てきたものだ。子宮そのものは、洋ナシ状の筋肉の塊だが、内側に毛細血管を無数に含む内膜がある。この内膜が、あたかもテープがはがれるようにはがれておちてきたものが生理の血液となる。

「生理後は再び新しい子宮内膜が発育し、2週間かけてぶ厚くなります。しっかりと厚くなる頃に卵子が排卵し、精子と出会って受精します。十分にぶ厚くなった子宮内膜は、さらに1週間かけてふわふわになります。ふわふわになったところに発育した受精卵がうまくもぐりこめれば、妊娠です」

受精卵がこなければ、1週間後にはがれて排出される(生理)。この過程を閉経まで繰り返すことになる。

生理周期の計算方法

一般的に生理の正常周期は25日から38日とされている。「子宮の内膜がぶ厚くなる2週間」+「子宮内膜がふわふわになってからはがれるまでの2週間」を月経と考え、月経初日から次の月経初日の前日までを生理周期と呼ぶ。通常、この生理周期は約1カ月で、6日程度の周期のずれは正常範囲となる。

「この1カ月の周期を決める司令塔的な存在は脳です。脳の中央にあり、最も原始的な脳の一部である『視床下部』とその直属の部下にあたる『脳下垂体』が実質的な役目を担っています。視床下部は脳下垂体を刺激するホルモンを出し、脳下垂体は卵巣を刺激する2種類のホルモン(黄体形成ホルモンと卵胞刺激ホルモン)を90分に1回のリズムで分泌しているのです」

これらのホルモンにより、卵巣では卵子を包む細胞が約2週間で急激に発育し、女性ホルモンを分泌する。女性ホルモンが一定の量に到達すると、今度は脳がその状況を察知。すると脳下垂体が1.5 日という短期間に多量の黄体形成ホルモンを分泌し、卵巣で排卵を起こさせる。排卵後にできた黄体が消失するまでさらに約2週間を要するため、月経周期が約1カ月になるというわけだ。