JR北海道・JR四国の共同企画「青函トンネル&瀬戸大橋開業30周年記念キャンペーン」のオープニングセレモニーが10日、新函館北斗駅にて開催された。13カ月間にわたるキャンペーンのスタートに合わせ、記念ツアーの出発式や出迎えイベントも行われた。

  • 「青函トンネル&瀬戸大橋線開業30周年記念キャンペーン」がスタート

「青函トンネル&瀬戸大橋開業30周年記念キャンペーン」は、青函トンネルと瀬戸大橋がともにこの春で開業30周年を迎えることから、JR北海道がJR四国に共同開催を呼びかけて実現したという。

新函館北斗駅で開催されたセレモニーでは、JR北海道鉄道事業本部営業部長の萩原国彦氏が「北海道から南へ、南から北海道へと大きな(人の)動きを作っていきたい」と挨拶。JR四国取締役鉄道事業本部営業部長の藤本聡氏も「(1988年の)青函トンネルと瀬戸大橋線の開業で全国の鉄路が1本に結ばれ、当時の国鉄は『一本列島』のキャッチフレーズでこれをPRしていました」と当時の思い出を語った。

阪急交通社が実施するキックオフツアー「日本列島大縦断フルムーンの旅5日間」の出発式も同時開催。新函館北斗駅(JR北海道)駅長の鳴海正氏、宇多津駅(JR四国)駅長の木村仁則氏がホームに立ち、参加者44名が乗り込んだ「はやぶさ22号」(新函館北斗駅12時44分発)に出発合図を送った。

  • 新函館北斗駅で行われた出迎えイベント。ご当地キャラクターたちも集結

  • 「青函トンネル&瀬戸大橋線開業30周年記念キャンペーン」セレモニーの様子

キャンペーンが長期にわたることについて、「短い期間で実施するよりも、(北海道と四国の)四季折々を感じていただくことを意図しました」とJR北海道の萩原氏は説明。「観光素材はそろっているので、ブラッシュアップして皆様に提案していきたい」と展望を語った。この日は新函館北斗駅の他にも、函館駅・木古内駅・奥津軽いまべつ駅などでご当地キャラクターや横断幕による列車の出迎え・見送りイベントが行われた。

新函館北斗駅と函館駅では、青函トンネル開業までのあゆみを紹介するパネル展が3月10日からスタート。新函館北斗駅では、技術者として青函トンネルの建設に携った角谷敏雄氏(青函トンネル記念館ボランティアガイド)が説明に立ち、「暑さと湿度、出水に悩まされ、毎日が命がけでした」と当時を回想した。「つらいことや苦しいことばかりだったが、日本のため、北海道のためと信じて掘った。トンネルマンとして、(青函トンネルを通る列車が)いつまでも安全な乗り物であって欲しいと願っています」と話した。

  • 新函館北斗駅・宇多津駅の駅長による出発合図で「はやぶさ22号」が発車

  • 新函館北斗駅での「青函トンネル&瀬戸大橋線開業30周年記念パネル展」は5月7日まで。開催初日の3月10日には、福島町青函トンネル記念館ボランティアガイドの角谷敏雄氏によるパネル解説が行われた