私たち消費者は、「これ、いいね」と言いながら日々新しい商品を手に取っていますが、この商品がどうやって誕生し、どのようにして今ここにあるのかを考えたことはありますか? そこで今回は、商品販売に係るビジネス用語「マーケティング」についてご紹介します。

■マーケティングの意味とは

「マーケティング」とは、企業が商品やサービスを開発し、消費者の手に渡るまでの諸活動のことを言います。企業は、消費者がどんな商品を求めているのか、どういう製品を作り、いくらでどのように売るかを常に考えています。こういった売上げが上がるまでに係る一連のプロセスを、ビジネスの世界ではマーケティングと呼びます。「マーケティング」という言葉は、単なる販売活動と誤解されやすい傾向があるので、しっかりと覚えておきましょう。

■マーケティングの内容とは

ここで、マーケティングの主な活動内容をご紹介します。

市場調査

市場は時代の流れとともに絶えず変化し、流動的です。今、消費者が何を求めているのか、企業は常にアンテナを張り巡らせ「顧客を知ること」からマーケティングは始まります。具体的な市場調査としては、モニターへのアンケート調査が最も一般的でしょう。インターネットの普及により、PCやスマホを通してリサーチできる時代になりました。また、流行を生み出す女子高生をはじめ、ターゲットとなる世代や性別の人たちを集め、座談会という形で消費者の生の声を聞き取っている企業もあります。

製品計画

言うまでもなく、製品計画の最大の目的は、「売れる商品やサービスを企画すること」にあります。市場調査の結果を元に、試作品を作っては実際に使用し、改善するといった作業を繰り返し、消費者のニーズを満たす製品を生み出します。

また、製品計画における「パッケージデザイン」や「ブランド(商標)」が、近年重要視される傾向があります。「パッケージ」には、商品を保護するだけでなく、消費者に視覚で訴える役割があり、思わず手に取りたくなるような魅力的なデザイン、またはインパクトのあるデザインが求められます。さらに、消費者を引き付けるネーミングやロゴ、カラーなどの「ブランド」を確立すれば、他社製品との差別化や販売促進等を図ることができます。

販路対策

販路とは「販売ルート」のことですが、良い商品が完成し価格が決まったら、どのようなルートでどう売るのか、最も有利な販路を選択することが必要です。今ではネット通販という形で、消費者に直接販売する方法もありますが、基本的には、小売店に販売を依頼するのが一般的です。そのための営業活動にかかるコスト、また、売値と卸値の関係などを考え、利益率が最も良い販路を選択することが必要となります。

販売促進活動

市場調査や製品計画を経て、良い商品やサービスができたとしても、それを知ってもらわなければ売れません。そこで、商品の宣伝活動が重要になってきます。

私たち消費者が、新しい商品を知る一番のきっかけと言えば「TVCM」でしょう。テレビのほかにも、ラジオ・新聞・雑誌といったマスメディアに広告を載せる手法が、一度に多くの消費者に知ってもらう手段としては最良です。また、検索エンジンやソーシャルメディアなどインターネットを活用した「Webマーケティング」と呼ばれる手法も、近年では欠かせない活動となっています。そのほか、DMやチラシ、看板、イベントといった活動が挙げられます。

効果検証

市場調査から実際に売れるまでの活動について、「売上げにどう結び付いたのか」「どれだけ売れたのか」を検証し、費用対効果をはかることもマーケティング活動の重要な役割です。最後に検証することで課題を見いだし、次のマーケティング活動に役立てます。


今回は「マーケティング」についてご紹介しました。消費者が「こんなのが欲しかった」と思うような製品を手にするまでには、多くのマーケティング活動があることがお分かりいただけたと思います。

マーケティングは、各部門での取り組みを繋いでいくことで成立する仕事です。時代の流れとともに、新たなマーケティング活動も生まれるでしょう。まずはマーケティングの基本を学び、自身の仕事に活かしていきましょう。