JR東日本新潟支社は30日、電気式気動車の新型車両GV-E400系(量産先行車)の報道公開を実施した。量産先行車は計3両製造され、2月から各種試験・検証を実施。2019年度までに新潟地区へ量産車を投入する予定となっている。

  • JR東日本の電気式気動車GV-E400系。量産先行車3両が公開された

新型車両GV-E400系は既存の気動車キハ40系列の置換えを目的に新造され、1月16日に量産先行車が落成。1両編成(両運転台)の「GV-E400-1」、2両編成(片運転台)の「GV-E401-1」「GV-E402-1」ともに川崎重工製のステンレス製車体となっている。車体寸法は全長19.5m×全幅2.8m×全高3.64m。乗降扉は1両あたり片側2扉(半自動機能付き)。外観は沿線の日常を支える公共交通機関としての信頼感・安定感と力強さ、時代が移り変わっても風化しないシンプルさを兼ね備えたデザインとなった。

定員は1両編成の「GV-E400-1」(トイレ付き)99名、2両編成の「GV-E401-1」(トイレ付き)111名、「GV-E402-1」121名。車内は新潟地区を走るE129系と同様、温かみのあるトキピンクを基調とした色彩で統一した。クロスシートは横3列(2列+1列)で4人掛け・2人掛けの対面座席とし、シート間隔は既存のキハ40系列より180mm延長している。トイレは各編成1カ所ずつ、電動車いす対応トイレを設置。優先席付近は床面も色分けして判別しやすくし、冬季の寒さ対策として扉付近の袖仕切りが大型化された。客室内照明はLED化され、窓には紫外線をカットする強化ガラスを採用している。

GV-E400系の最高運転速度は100km/h。駆動システムはキハ40系列の液体式に対し、GV-E400系は電気式を採用しており、電車と同様の駆動システムで動力を伝達する。JR東日本が多数所有する電車で培った技術やメンテナンス方法をGV-E400系にもフィードバックできるため、安全安定輸送と質の高いサービスを提供できるという。

  • 報道公開で並んだ1両編成の「GV-E400-1」と2両編成の「GV-E401-1」「GV-E402-1」。量産先行車3両ともに製造は川崎重工

  • 「GV-E401-1」「GV-E402-1」の車内。クロスシートは横3列(2列+1列)

新型車両GV-E400系は新潟・秋田地区へ投入予定。新潟地区では量産先行車による各種試験・検証の後、乗務員の運転訓練、車両メンテナンスの教育訓練などを経て、2019年度までに量産車を投入する(具体的な営業時期は決まり次第発表)。運用区間は信越本線新津~新潟間、羽越本線新津~酒田間、磐越西線会津若松~新津間、米坂線米沢~坂町間。秋田地区では2020年度に量産車を投入し、運用区間は奥羽本線秋田~東能代間・弘前~青森間と五能線東能代~川部間、津軽線青森~三厩間となる。

新潟地区では今後、GV-E400系に加え、新潟駅在来線ホームの高架化(4月15日から使用開始)、上越新幹線へのE7系投入なども予定されている。報道公開で挨拶したJR東日本新潟支社運輸部長の高橋淳志氏は、「いまが大きな変革期。少し前まで老朽化の激しい車両ばかりでしたが、E129系やGV-E400系、E7系といった新しい車両へ置換えが進められます。地域の皆様の生活の足、県外から訪れるお客様の足として、安全・快適に鉄道を利用していただけるよう最大限の力を尽くしたい」と述べた。

  • 「GV-E400-1」(1両編成)の外観・車内

  • 「GV-E401-1」「GV-E402-1」(2両編成)の車内・外観