JR九州は26日、蓄電池搭載型ディーゼルエレクトリック車両(ハイブリッド車両)YC1系を発表した。老朽化した車両の置換えとして2両編成を1編成新製し、2018年6月に搬入予定。営業運転に向けた走行試験を実施する。

  • JR九州の新型車両YC1系のエクステリア(イメージ)

YC1系は同社初という蓄電池のエネルギーを有効活用した省エネ型のディーゼルエレクトリック車両。燃料消費量は既存の気動車キハ66・67形より約20%低減するとのこと。エンジン駆動からエンジン発電式モーター駆動に置き換え、二酸化炭素などの排出量や騒音を低減するとともに、ブレーキ時に発生する回生電力を蓄電池に充電させ、蓄電池のアシストによる効率的な走行性能も実現する。気動車に使用していた回転機器などの機械部品を減らし、電車部品を活用することで気動車特有の不具合も低減する。

出入口は片側3扉の両開きとし、スムーズな乗降が可能に。スマートドアを採用するとともに、バリアフリー対応として出入口の段差をなくし、足元を照らす照明も設置する。車内の座席は1人あたりの腰掛座面幅が拡大され、室内照明はダウンライトタイプのLED照明に。車内のマルチサポートビジョン、車外の行先案内表示器は4カ国語対応とする。台車個別制御ブレーキシステムや状態監視システムなど、安全・安定輸送も追求した。YC1系の定員は232名(座席定員76名)、設計最高速度は110km/hとされている。

  • 新型車両YC1系のインテリア(イメージ)

JR九州は今回、次世代の車両として蓄電池搭載型ディーゼルエレクトリック車両(ハイブリッド車両)YC1系と交流近郊形電車821系を発表しており、開発コンセプトは「『やさしくて力持ちの鉄道車両』JR九州の今後を担う最新技術を駆使した近郊型タイプ車両の開発」とのこと。YC1系は6月に搬入(予定)された後、営業運転および量産化に向けた走行試験を行い、性能を評価していく。営業投入時期は決まり次第、発表される。