現在、好評放送中の特撮テレビドラマ『仮面ライダービルド』と、2017年8月に放送を終了した『仮面ライダーエグゼイド』が豪華共演を果たす劇場用新作映画『仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー』が、12月9日より全国劇場にてロードショー公開されている。

本作では、天才物理学者の桐生戦兎(演:犬飼貴丈)が変身する仮面ライダービルドと、人の命を救うドクターである宝生永夢(演:飯島寛騎)による仮面ライダーエグゼイドの強力タッグが実現。さらに、今回の映画では『仮面ライダーオーズ/000』から火野映司(演:渡部秀)と相棒のアンク(演:三浦涼介)、『仮面ライダーフォーゼ』から如月弦太朗(演:福士蒼汰)、『仮面ライダー鎧武』から葛葉紘汰(演:佐野岳)、『仮面ライダーゴースト』から天空寺タケル(演:西銘駿)といった「レジェンドライダー」が駆け付け、全世界を崩壊に導こうとする強大な敵に立ち向かうべく、力を合わせて戦うのが大きな見どころとなっている。

映画の公開を記念し、本作で共同脚本を手がけた武藤将吾氏(ビルド)と高橋悠也氏(エグゼイド)のスペシャル対談を敢行。2作品それぞれでメインライターを務めるクリエイターたちが考える"最新の"「仮面ライダー」の魅力が語られる貴重な機会となった。『ビルド』で19作目を数える平成ライダーシリーズは、ドラマ面でも常に進化している。インタビューでは、その進化に挑戦し続けているクリエイターたちの熱が垣間見えた。

――本日は新世代を担う「仮面ライダー」クリエイターのお2人がおそろいになりましたので、まずはお2人にとって最初の「仮面ライダー」体験から教えてください!

高橋:僕が子どものころは、ちょうど「仮面ライダー」シリーズを放送しておらず、観た記憶はほとんどありません。なので僕にとっての「仮面ライダー」体験というと、シナリオを執筆することになった『仮面ライダードライブ』(2014年/高橋氏はBlu-rayの映像特典『シークレット・ミッション type TOKUJO』を執筆)のため、大人になってあらためて観た『仮面ライダーW』(2009年)や『仮面ライダー電王』(2007年)あたりになりますね。

武藤:僕の場合、『仮面ライダーBLACK』(1987年)を観た記憶がありますが、子どものころ主に好きだったのは『電子戦隊デンジマン』(1980年)や『太陽戦隊サンバルカン』(1981年)です。

高橋:『サンバルカン』は僕も好きでした。

武藤:「仮面ライダー」シリーズ自体は、息子がライダーを観始める年頃になり、一緒に観ていくうちにだんだんと平成シリーズを遡っていった感じです。最初は、男の子のいる友人が、僕の息子のために『仮面ライダーオーズ/000』(2010年)の玩具をくれたのがきっかけ。かなり不純な動機なのですが、玩具があるから息子に『オーズ』を見せれば、新しく玩具を買わなくていいだろうという(笑)。それで『オーズ』や『W』を観ていくと、僕が抱いていた「昭和」の仮面ライダーのイメージと違う迫力やリアリティがあることに気づき、やがて息子が寝てからもう一度自分だけで集中して観るようになっていったんです。昼間だと、息子のライダーごっこの相手をしながら観ないといけないので、物語に集中できない。

――となると、幼少時というよりも、お2人とも大人になられてから『仮面ライダークウガ』(2000年)を第1作とする「平成ライダー」シリーズに触れられた、という感じなんですね。武藤さんは高橋さんがシナリオを書かれていた『仮面ライダーエグゼイド』(2016年)はご覧になっていましたか。

武藤:もちろん観ていました。当然のように息子がエグゼイドの変身ベルト「ゲーマドライバー」を欲しがりまして、ベルトを着けた彼の敵の役をやりながら(笑)。あのベルトってやたらとデカいので、体当たりされると痛いんですよ。

高橋:ベルトにガシャットを挿入して、さらにハイパームテキガシャットなどのオプションを付けるとかなりの重さになりますしね(笑)。

――高橋さんは『エグゼイド』で初めて「仮面ライダー」シリーズのメインライターを務められましたが、かつてないほど奇抜な「ゲームモチーフのライダー」、しかもエグゼイドだけでなく、ブレイブ、スナイプ、ゲンム、レーザー、パラドクスなど個性豊かなライダーたちが群雄割拠する『エグゼイド』のストーリーを描くのは、大変なことだったのではないでしょうか。

高橋:僕の場合、詳しいわけではなかったので、無知がゆえの勇気というか、無謀というか。「よし、やってやろう!」というチャレンジ精神で取り組んでいました。実際やってみてあらためて思ったことは、キャラクターが多いなあって(笑)。登場する仮面ライダーの数だけ信念とドラマが必要になりますから。サラッとただ出てくるだけではなく、1話1話で人数分の物語を描かなければならない。そこは確かに大変でしたね。